流星
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セシリアは自らが一番頼りにする人の名を心の中で叫ぶ。
だが無常にも福音から光弾が放たれる。
そして光弾がセシリアに着弾する。
が、
既に福音の前にセシリアの姿はなかった。変わりにそこに残ったのは淡い青の光の帯だった。その光はすぐに空気中に霧散する。
「え?」
セシリアから疑問の声が上がる。彼女自身何が起きたかわかっていないのだろう。すると彼女の頭上から聞きなれた声が聞こえた。
「大丈夫かセシリア?」
「響……さん?」
セシリアは顔を上げる。
そこには小さく笑みをこぼす響の姿があった。
「まったく無茶しやがって……うおっ!?」
「響さん……!!」
セシリアは響の声を最後の声まで聴かず、その首に抱きついた。
そして彼女の目じりからは涙が零れ落ち、口からは嗚咽が漏れる。
響はそれに苦笑しながらセシリアに声をかける。
「心配かけて悪かった……。あと、ありがとよ私の仇取ろうとしてくれたんだろ?」
「はい……! でも良かったです響さんが目覚められて。でもお怪我のほうは?」
「その辺は問題ねぇ。悪いがセシリア、そろそろ離れてくれねぇか?」
響が言うとセシリアは慌てた様子で響から離れる。すると、彼女は響のISの変化に気付いたのか首をかしげながら問う。
「響さん? ISの形が……」
「ああ、その辺はあとで説明してやる。今はあのヤローを堕とすのが先だ」
響は福音と対峙する。福音はセシリアたちには目もくれず響だけを見据えるとその不気味な機械音声で静かに告げた。
「対象変更。新たに現れたISを最優先で撃墜する」
「早速私狙いか? いいねぇ、こっちもテメェを叩き潰したくてウズウズしてたところだ」
響はにやりと口角を上げ福音を睨みつける。
「だけど残念ながら今度はあっという間に終わらせてやるよ。中のヤツもしっかり救ってみせるしな」
告げると響は態勢を低くし瞬時加速を行う。その速さはまさに流星のような速さで、ISのハイパーセンサーでも夜天月が生み出す青い光の帯を追うのがやっとだ。
そして響は福音の横を通り過ぎると同時に福音の左腕の装甲を切り裂いた。『断爪』を使ったのだ。
しかし、それだけで響の攻撃は終わることはなく、反転した響は今度は福音の足を切り裂く。有人のためかなりギリギリで装甲を削いでいる。
「コイツで終いにしてやるよ!!」
響がまたも福音に接近するが、福音はそれを飛び上がって避けると、エネルギー翼から光弾を撃ち放つ。
「チッ! こいつが一番めんどくせぇ!!」
舌打ちをしながら響はその場から離脱する。
「あの弾何とかしねぇといくら装甲
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