流星
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り、藍色と白のコントラストがなんともいえない雰囲気を溢れさせている。
腰まである長い髪を先のほうで一くくりにまとめている。
「あんた、なにもんだ?」
「……よかった。今度は私の姿も見えているのですね……」
響の言葉に女性は臆することなく柔和な笑みを浮かべる。その笑みは嬉しげでもあり、同時に悲しげでもあった。
「私の姿も……? その口ぶりだと一回会った事があるみたいな口ぶりだな」
「ええ、私は貴女に一回お会いしています。ですが、貴女は私の声だけしか聞こえていなかった……。でも仕方がありませんね。あの時は……」
「まてまてまて! 話が見えないここは何処だ!? それでお前は誰なんだよ!!」
自分の問いを聴かず話を続けようとする女性に対し、響は若干声を荒げた。すると女性ははたと気づいたように響の顔を見据えて頭を下げる。
「これは申し訳ありませんでした。少し舞い上がってしまったみたいです」
口元に手を当てながらクスリと笑う女性はとても可愛らしかった。
「それで、ここは一体何処なわけ?」
「ここは貴女の心象風景。いわば心の中です。まぁ夢の中とでも思ってください」
「夢……ねぇ……」
響はまだ納得がいかなげに辺りを見回す。
「まぁいいや……そんで私の心象風景の中に堂々と入っちゃってるお前はなんなわけ?」
「それは私に触って頂ければわかると思います」
彼女は右腕を響の方に向ける。
響は顔をしかめながらも女性の手を握り返す。瞬間、彼女の体に慣れ親しんだ感覚が走る。そう、この感覚は、
「夜天月……?」
響は小さく声を漏らす。彼女の手を握った瞬間に響の体に走ったのは、夜天月と同期する時と同じ感覚だったのだ。
対し、響に呼ばれた女性もコクンと頷くと僅かに目を潤ませながら、
「はい、マスター」
自分の胸に手を手ながら夜天月は笑みをこぼす。
だが響は未だに状況がつかめずにいる。
「どういうことだってんだ……? 夜天月は人間で、私の夢の中にいて? あー!! わからん!!」
頭から煙が出てきそうな勢いで考え込む響に夜天月はやんわりと声をかける。
「落ち着いてくださいマスター。ここに居る私は深度リンクの際、生まれたものです」
「深度リンクってアレか?」
「はい、アレです」
「ISって皆お前みたいに意思持ってんの?」
「……さぁ?」
「しらねぇのかよ!!」
首をかしげる夜天月に対し、響は思わずツッコミを入れてしまった。それにクスクスと夜天月が笑うと、
「やっぱりマスターは面白い人ですね。そして優しくもあります」
「うっせ……。それで? なんで私はこんなところにい
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