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IS-最強の不良少女-
流星
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、その後ろから、

「やーやー大変だったねびっきー! まさか、びっきーが怪我するなんて思わなかったよ!!」

 束がハイテンションなまま響の後ろに現れた。

「そうかよ。だが、んなことはどうでもいい。お前に聞きたいことがある、篠ノ之束」

「ん? なにかななにかな? 束さんが答えられることがあるなら何でも答えるよん!」

「あの福音を暴走させたのはお前か?」

 響はにらみをきかせながら束を見据える。対し、束は口元に手を当てながら、

「んー? なんのことー? そんなわけないじゃーん!」

「……まぁどうせそう答えると思ったけどな。じゃあ――」

「ストーップ! 次は私が聞きたいことがあるんだけど」

 若干声音を変えながら束は響を見つめる。

「びっきーは誰から『天翔流星』のこと聞いたのかな? アレは私しか知らないんだけど?」

「……さぁな、それぐらいテメェで考えたらどうだ? 天才さんよ」

「むっ……」

 いつも笑みを浮かべたままの束だが、今の返しには若干顔をしかめる。それだけ腑に落ちないのだろう。

 二人の間に重い空気と沈黙が流れる。

 すると、その空気を壊すように響がその場から一歩踏み出し、束に告げる。

「もう一個聞こうかと思ったがどうでもよくなっちまった。でもよこれだけは言わせてくれ――」

 響は歩みを進めながら淡々と述べていくと、束の隣を通り過ぎざまにドスをきかせながら言い放った。

「――次にふざけたことしやがったら問答無用でぶっ潰すから覚悟しとけ」

 吐き捨てるように告げた響はそのまま振り合えることはせず、夜の闇に消えていった。





 残された束は小さく笑いながら、

「ふーん。ぶっ潰すか……いいよやれるものならやって見せてびっきー」

 響を嘲る様に束は呟くが、その体は小刻みに震えていた。

 残念ながら今の束にはこれが何から来る震えなのかわからなかった。だがそれは、確実な恐怖から来る震えだった。
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