流星
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の担任の織斑千冬と申します」
『あらあら、ご丁寧にどうも。響の母の紫音です、でも担任の先生からお電話なんて……うちの子何かやらかしました?』
「いえ……そうではないのですが……実は――」
千冬は起こった事をを包み隠さず全て紫音に話した。紫音は時折驚いたような声を上げながらそれを聞いていた。
『重傷ですか……』
「はい……申し訳ありませんでした! 私がついていながらご息女に怪我をさせてしまい」
千冬は罵倒される覚悟で電話越しにだが深々と頭を下げた。だが、受話器から聞こえてきたのは思いもよらぬ声だった。
『ああいいえ。気にしないでください織斑先生』
「は?」
思いもよらない軽い返しに千冬自身自分でもこんな声が出たのかというほど素っ頓狂な声を上げてしまった。
だが、紫音はそんな千冬のことなどお構いなしに続けていく。
『ですから、御気になさらないでください。あの子結構頑丈ですから……前だってすっごい怪我してきて入院したんですよ?』
「はぁ……」
『全治一ヶ月って言われてたところをあの子ったら二週間もかからずに感知させましたからねー。ああ、そうそう! 他にも――』
今度は逆に千冬が紫音の話に付き合わされることになってしまった。しかも紫音は響が傷ついている話をしているというのに、なぜか上機嫌だ。
例えるのであれば、暇な時間をすごしていた主婦が話し相手を見つけたといったような状況だろう。
『――なので、大丈夫です! 心配なさらず! 先生はご自分の弟さんの心配をしてあげてくださいな。では、また』
一方的に話をされ、一方的に切られた千冬はただただ首をかしげていた。
「……いいのか? これで……?」
すると、その後ろから、
「織斑先生!! 大変です!! オルコットさんや篠ノ之さんたちが――!!」
響は満天の星空と大きな満月が浮かぶ空の下にたたずんでいた。
地上を見てもまた星と月。
ここは千李が以前夢で見た光景である。
「どこだよここ。えっと確か私はあの羽ヤローと戦ってて、夜天月が何でかわかんねぇけど止まって怪我したんだっけ?」
顎に手を当てながら響は一人ごちた。
「つーかここって結局なんなわけ?」
響が首をかしげながら考えていると、不意に背後に気配がした。
それに気付いた響はすぐさま後ろを振り向き、構えを取る。だが、そこにいたのは、
「女?」
怪訝そうに呟く響の前に立っていたのは、身長や体つきが何処となく千冬に似た大人っぽい雰囲気を醸し出す女性だった。
彼女は藍色を基調とした豪奢なドレスに身を包んでいた。そのドレスは所々白い配色がされてお
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