第102話
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麻生の言葉を信じ、狙撃犯の注意を外し三人の襲撃者に集中する。
今度はレイピアのような剣を持った襲撃者が五和に襲い掛かる。
そのレイピアの先端をかわし、横一線に槍を振り払う。
その時にさっきと同様、狙撃の気配を感じたが五和は無視する。
(麻生さんを信じる。
あの人なら。)
そう心に言い聞かせ、躊躇わず槍を振るう。
五和の払いは襲撃者の脇腹を的確にとらえるとボキボキ、と骨が折れる音が聞こえ、横に吹き飛び地面に転がり動かなくなる。
そして、ばんという音が聞こえる。
弾丸は五和の顔面に向かって放たれるが麻生の左手がその弾丸を捉える。
「そこか。」
麻生は軽く地面を蹴る。
足の衝撃を上手く操り、顔一つ分の地面の石が麻生の顔の位置まで上がる。
その石を殴ると、バチバチ!という音を立てる。
すると、石が徐々に変化して尖った石へと形を変える。
ベクトルを操り、尖った石は凄まじい勢いで五階建ての建物の屋上に向かって飛んでいく。
「がああああああああ!!!!!」
屋上にぶつかると男の悲痛な叫び声が聞こえた。
おそらく、あの尖った石が的中したのだろう。
その光景を二人の襲撃者は唖然と見つめる。
「はぁぁ!!」
五和はその隙の見逃さずに槍の払いを二人の襲撃者に向かって振るう。
それを見て襲撃者は驚くが反応する事ができずに槍の払いを受け、地面に転がり動かなくなった。
ふう、と五和は息を吐く。
「どうして狙われたのでしょうか?」
五和は意識を失っている襲撃者達を見ながら、麻生に聞く。
麻生は意識を失っている襲撃者の一人の身体を調べる。
すると、何かを見つけたのか五和に何かを投げ渡す。
五和は咄嗟にそれを受け取り、投げた物を見る。
それはローマ正教の十字架だった。
「おそらく、俺と五和が並んで歩いている所を見られたんだろうな。」
「で、でも、それだけの理由で襲撃されたのですか?」
「俺と当麻と天草式とイギリス清教。
これらにローマ正教は大きな借りがあると思うぞ。」
「大きな借り・・・・・あっ!?」
少しだけ考え、何か思い当たる節があるのか五和は声をあげた。
それを聞いた麻生は小さく笑みを浮かべて言う。
「そう、オルソラを救う時に俺達はローマ正教であるアニューゼ部隊と交戦して、倒した。
火織から聞いた話だが、アニューゼ部隊が勝手に動いただけで自分達に罪はないと弁明したらしいが、それでも俺達に何かしらの警戒、もしくは恨みを持っている筈だ。」
「それだけの理由で私達を襲ったのですか?」
「仮にそう言った理由で襲ってきたら戦争が起こるぞ。
これはまだ予想の範囲だが、あいつらは何か重大な準備をしていて、街で俺達を見てその準備に気づか
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