十字架
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てそれと同時に思い出す。
あぁ、こいつは若干シスコン気質があるんだった・・・と。
「という訳で、悪いが姉さん。獲物を頂くぞ」
「・・・仕方ないわね。好きになさい」
どこか不機嫌な返事に困ったように微笑むと、持っていた音速の剣を一瞬にして消す。
そして続いて手に握られていたのは、綺麗な水色と白銀の剣だった。
「行くぞ。名も知らぬ女!」
「本当に大丈夫なの?」
クロスに言われたとおり下がったルーシィは、ナツ達に声を掛ける。
「何が?」
「クロスさんよ。アイツ相手に1人なんて、いくらティアの弟だからってそれはさすがにキツいんじゃない?」
そう言うルーシィに、ティアは溜息をつく。
「・・・言っておくけど、アイツは強いわよ。ナツに剣1本で勝つんだから」
「え!?」
「おー、アイツ変なとこティアに似て表情読めねーし、やっぱり変なとこティアに似て動き素早いんだよなー」
「アンタ私の事バカにしてるの?」
ギロリ、とティアがナツを睨みつける。
その空気を変える様に、ハッピーが口を開いた。
「あい。魔法無しで単純に剣の腕だったらエルザと同じくらい強いんじゃないかな。エルザは鎧も換装できるし、魔法を使ったら負けちゃうけど」
「ハアァァァァァァァァァッ!」
クロスが剣を振り下ろす。
シュランはそれを綺麗に避け、髪の蛇をクロスに向かわせる。
が、それをクロスは剣を一振りし斬り捨てた。
「なかなか厄介な蛇だな」
「ふふ・・・だから普段は使わないんですよ」
シュランは微笑む。
斬られたはずの蛇は徐々にピンクの光を帯び、再びシュランの髪へと戻る。
「この子達は何度斬られようと不死身です。まぁ、私が死んだら死にますがね」
「そうか・・・ならば貴様を殺すまでだ」
何の躊躇いもなくあっさりとクロスは言い放つ。
その言葉にシュランは少し驚いたように目を見開き、すぐに口を開いた。
「殺してしまえば、貴方は評議員に捕まりますよ?」
「別に構わないさ」
そう言うと、クロスはニッと口角を上げた。
「評議員に捕まろうが、姉さんをあそこまで傷つけた人間が消えれば本望だ」
それを聞いたシュランは思った。
あぁ・・・こいつは正真正銘、シスコンだと。
しかもあと1歩でアブナイところに行きそうなシスコンだと。
「あ、貴方・・・シスコンですか?」
「ん?シスコン?それはシスター・コンプレックスの略語か?」
「そうですけど・・・」
どうやらこの男、シスコンが何の略かさえも知らないらしい。
「・・・そう言われれば、そうなのかもしれないな。俺には昔から姉さんしかいないから・・・」
そ
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