十字架
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は笑みを浮かべた。
「ね」
「このくらい・・・何て、事・・・」
「そうですか。では・・・」
シュランの自由にしていた蛇達が一斉にティアの方を向く。
「この子達のお相手をお願いしますわ」
その言葉が蛇達にとっては『行け』の合図なのだろう。
一斉に蛇達は動けないティアに向かって伸びていく。
元々のシュランの髪の長さよりも長く伸びていく蛇達。
「ティア!ぐぅっ・・・」
ナツが助けに行こうと体を動かすが、体に残っているダメージのせいで思ったように動けない。
蛇は意外にも素早く、この素早さの蛇の攻撃の前にナツがティアを助けられる訳が無いとその場にいる全員が解っていた。
ティアが体を水に変換したとしても、ギリギリ間に合うかどうかも解らない。
「っ・・・!」
ティアが蛇の攻撃を覚悟し、目を閉じた、その時だった。
「音速の剣」
その蛇をも超えるスピードで、突如現れた剣が蛇達に突き刺さる。
聞こえてきた声にティアは目を開き、ナツ達はその名を口にした。
「「クロス!」」
「どうやら間に合ったようだな」
姉が姉なら弟も弟、と言ったところだろうか。
全く息を乱さず、何を考えているかも解らず、ギルドからここまでは飛んで来たとしてもかなり遠いだろうに、疲労が全く見えない。
「ナイスタイミング」
「大丈夫か?姉さん」
「えぇ、大丈夫よ」
「ウソつけ」
ナツがボソッと呟いたが、ティアにははっきり聞こえていた様で鋭く睨まれる。
当然、クロスも脚の怪我に気づいたが、ずっと一緒に育ってきた姉がどういう性格かは1番知っているので、敢えて何も言わなかった。
「お前達は下がっていろ。コイツは俺がやる」
「あの蛇頭と戦うつもりかよ!?」
「いくら何でも無茶ですよ!もう魔力だってかなり使って・・・」
そう。
クロスが何もしていなかった訳ではない。
現場の指揮を取り、幽兵の相手をしていたのだ。
魔力だって相当使っているだろう・・・とナツとルーシィは驚き、心配する。
が、クロスは振り返ると、薄い笑みを浮かべて言い放った。
「俺を誰の弟だと思っている?」
その一言に一瞬唖然とし、あぁそうだったと思いだす。
クロスはあのティアを姉に持つ、いわば妖精の尻尾2大女怪物の片割れの弟なのだ(ちなみにもう1人はエルザだ)。
「安心しろ。そう簡単にはやられん。それに・・・」
「「「それに?」」」
どこから湧いて来るのか不思議な自信に溢れた声で、クロスは続ける。
「この女なのだろう?姉さんをここまで傷つけたのは・・・」
その瞬間、ナツ達の目に魔王が映った。
そし
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