十字架
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「クロス君。ここは私達が何とかするから」
「主はティアを助けに行ってください」
サルディアとヒルダも口々にそう言う。
そんな4人を見たクロスは「すまない」と小さく呟き、一瞬にして剣を変えてファントムギルドへと向かっていった。
「・・・んで?クロス無しでどうにかなるかね、俺達」
「どうにかするしかないだろう。戦いながら時々ファントムの方を見る主はもう見飽きた」
「クロス君、ティアちゃんの事本当に大切に想ってるもんね」
「あぁ・・・ギルドは崩れてしまったが、俺達はまだまだ戦うぞ!」
スバル、ヒルダ、サルディア、ライアーが短く会話をし、幽兵に向かっていく。
「にしてもライアー。お前もカッコつけすぎだな」
「何の話だ?」
「とぼけんじゃねーよ。お前、ティアの事好」
「あ、ああ悪いスバル!手が滑ったぁぁぁぁぁぁ!」
「ぐえっ」
思わぬ攻撃を受けたスバルだった。
シュランは微笑む。
全ての男を恋に落とすような妖艶な笑みを。
が、その背中で、首の裏で、頭で揺れるものは・・・蛇。
髪だったそれは、髪と同じローズピンクの鱗を持ち、各々が自由に揺らめく。
「め、滅茶苦茶だわ・・・髪が蛇になるなんて、何考えてるのよ・・・」
はい、すいません。(by緋色の空)
「俺だって・・・ただでさえしんどいっつーのによォ・・・」
ナツも兎兎丸、アリア、ガジルの3人との戦いでかなりのダメージを受け、火を食べたには食べたが、先ほどガジルを倒すのに魔力を使い切ってしまい、もう動く事も難しい。
その近くにいたティアは痛みを堪えながらゆっくりと立ち上がる。
「ティア!」
「あら・・・貴女、動けるんですか?先ほどの私の攻撃、かなり効いていると思ったのですが」
「攻撃?」
3人は先ほどまでの戦いを思い出すが、シュランがティアに攻撃などしていない。
という事は、自然とナツ達がいた部屋に飛び込んでくる前という事になる。
「攻撃ですって?何の・・・事かしら」
「強がらない方がいいですよ。貴女の『右脚』、もう痛みで動かないのでは?ガジル様に殴られた分のダメージも含め・・・先ほど無理をしていたようですもの」
「!」
「右足?」
その言葉に、全員の視線がティアのレースアップブーツに包まれている『はずの』右脚に向けられる。
が、そこにはブーツはなく、所々破けた黒いニーハイソックスに包まれた脚があった。
その破けたところから見える脚を見て、全員が目を見開く。
「お、おい・・・」
「ティア、それ・・・」
その脚は、ボロボロだった。
何かに斬り付けられたような傷からは血が流れ、青痣も所々に見える。
時々痛みを堪える様に震える脚を見て、シュラン
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