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Element Magic Trinity
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どれだけの実力を持っているか、見たかっただけ」

ローズピンクの姫カットが揺れる。
ティアも信じられない、と言いたげな目でシュランを見ていた。

「にしても・・・さすがは海の閃光(ルス・メーア)。私がここまで追い詰められたのは初めてですわ。まぁ・・・『追い詰められた』だけですが」

ティアの握りしめた拳が震える。

「でもここまで出来るなんて、なかなかの腕前ですわ。だから・・・特別に見せて差し上げましょう」

シュランの言葉に反応するかのように、彼女の髪が揺れる。
揺れて、揺れて、風に逆らうように揺れて、赤い光を2つ灯す。
『それ』は鋭い『牙』を持ち、ローズピンクの『鱗』を持ち、鋭くつった『目』を持つ。
その目は、赤かった。

「な、何だよ・・・アレ・・・」
「あり得ない・・・あんなの、嘘でしょ・・・?」
「・・・(絶句)」
「やっぱり・・・それがアンタの『本気』?手を抜かれてるとは薄々気づいていたけど、まさかそれが・・・」

それを見たナツ、ルーシィは驚愕の声を上げ、ハッピーは大きく口を開けて絶句し、ティアは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。

「さぁ、始めましょう?」

シュランが微笑んだ。










その髪は、無数の『蛇』と化していた。










「っ!」

崩れた妖精の尻尾(フェアリーテイル)のギルドの前。
ギルドが崩れても尚攻撃を仕掛けてくる幽兵(シェイド)の相手をしていたクロスは『嫌な予感』を察知して崩れたファントムギルドを見た。

(姉さんに、何か危険が・・・!?)

ちなみにクロスの『嫌な予感』には2種類あり、1つはギルドや仲間に関する予感、もう1つは姉であるティアに関する予感だ。
余談だが、ギルドや仲間の方は本当に危険な時にしか察知できないが、ティアの方は些細な事でも察知出来る。若干シスコン気味のクロスだった。

「・・・主よ」
「ライアー」

そんなクロスにライアーが近づく。
何故ライアーがクロスを「主」と呼ぶか、その話はまた今度だ。

「ティアの身に、何か起きている」
「お前も気づいたか・・・さすがギルド1姉さんに惚」
「そ、そそそそそれは関係ないだろう!」

クロスの言葉に慌てふためくライアー。
その頬は真っ赤に染まっているが、1つ咳をし、続ける。

「行かないのか?」
「・・・行きたいが、ここを離れる訳にはいかないだろ?」

フッと薄く微笑むクロス。

「なーに・・・カッコつけてんだよ、クロス!姉ちゃんの事心配でヤベェくせによっ!」
「わっ!」

そこにドカッとスバルが飛びつく。
迷惑そうに背中に飛びついてきたスバルに目をやり、溜息をついた。


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