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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第十八話
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本人が動けないとなれば時間があまりないグレアムからすれば、別にさしあたって異常がないのならば急ぐ必要はなかった。

「お忙しい人なんですね……」
「ええ。私以上にそんなあちこち飛び回る時間なんてない人だと思うわ」
「ならなんで来てくれはったんでしょうか……」
「さぁ……あの人のお考えは、私にはわからないわ。でも多分、竜二君に話があったのは確かだと思う。今日はたまたま時間が差し迫っていたのかも知れないわね」
「飛行機の時間とかですかね?」
「おそらくね」

 はやてはグレアムが何の仕事をしているのか、なぜ彼女の肉親と知り合うきっかけがあったのかは知らない。イギリス人であることは聞いていたので、本国で何かしているのだろうと思っている。

「さて、絶品料理と噂されるはやてちゃんのご飯、楽しみねぇ」
「そんな、あんまり持ち上げんでくださいよぉ……」

 美しき未亡人であるリンディに褒められ、照れて反応に困るはやて。そのまま突っ立っていてもしょうがないので、とりあえずリビングに案内しようとすると、再び来客を告げるベルが鳴った。

「あれ?なんやろ、今日はお客さん多いなぁ……シャマルー?」
「はーい……あれ、リンディさん?」
「おはようございます。あ、もうこんにちはの時間かしらね?」

 するとリビングでくつろいでいたのか、シャマルがぱたぱたとやってきた。

「うーん、どっちでしょう?まぁとりあえずこちらにどうぞ」
「お邪魔しますね」

 彼女がリンディを中へと通し、はやてはもう一人の来客へと向かう。金髪のウルフヘアに浅黒く焼いた肌の精悍な青年で、半袖の白いB系Tシャツに青く太いデニム、黒いスニーカーというラフな姿。しかし彼女はこんな青年に覚えはない。

「ごめんください。こちら、八神竜二さんのお宅とお伺いしまして」
「はぁ……兄は今手が離せないんですけど、どちら様ですか?」

 彼女は、彼の見た目からは想像もつかない丁寧さに少々面食らったような表情を浮かべた。それでも警戒は怠らないが。

「申し遅れました。大阪から来た西村と申します。でしたら、こちらの連絡先を彼にお伝え願えませんでしょうか?」
「はい、わかりました」
「ありがとうございます。では、失礼します」

 彼ははやてにメモを渡すと最敬礼し、乗ってきたらしいバイクで去っていった。

「西村 京介さんか……顔がエラい真剣やったけど、兄ちゃん何かしたんか?」

 首をかしげながら中へと戻るはやてであった。



 リンディをシャマルとシグナムが応対する中竜二はシャワーを浴びていた。色々していたので色々流したのだろう。そしてアスカはいつも通り残念そうな顔をして部屋へと戻っていく。色々していたのでその後片付けだろう。

「アスカ
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