第二話 幼稚園ですか
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
山田先生がクラスの皆に呼びかける。しかし、
キャっキャっ。
効果は今一つのようだ。
「あわわわ。」
先生はあわてているだけで、どうしていいかわからないようだ。・・・しょうがないなあ。
俺は席を立ち、手を叩く。
そうすると、クラスの皆の視線が俺に集まる。あっ!くまちゃん菓子食ってる。あとで注意しないと。
「先生が困ってんだろ。お喋りはそこまでにして、とりあえず二人一組になろうぜ。」
俺がそういうと、クラスの皆は俺のいうとおり動きだす。先生のほうを見ると、
「(キラキラキラ)」
もの凄い感謝の目で見られた。正直そんな目で見てくるくらいなら、もうちょっと、ちゃんとしてほしいのだが・・・。まあこの先生はなったばかりらしいから、しょうがないか。・・・・・・まあこの人のフォローばかりしていたら、いつのまにかクラスのまとめ役みたいになってしまったんだが。
「さってと。」
人のことばかり気にしていないで、俺も相方見つけないと。そういって辺りを見回していると、
「あ、あの。」
「ん?」
遠慮がちな声が聞こえたほうにむくと、そこにはピンク色の髪の小柄な女の子がいた。確か・・・
「甘粕だったけ?」
確か“甘粕真与”っていう名前だったな。
「ひゃい、いっしょに組んでもらってもいいでしゅか?はわわ、噛んじゃった。」
・・・どこのはわわ軍師だお前は。
「とりあえず、落ち着け。俺なら大丈夫だから。よろしくな甘粕。」
「は、はいよろしくお願いします。」
今日は二人一組になって相手の似顔絵を描く時間。
あまり自信はないが、下手なものを書くと相手に失礼なので、黙々と一所懸命に書いていると、
「篠宮君は凄いですね。」
甘粕が話しかけてきた。なんの話だ?
「なんの話だ?って顔してますね?」
「む。口にだしてたか?」
「顔にでてました。」
そういって甘粕はほほ笑む。
む〜。ポーカーフェイスには自信があったんだが。
「篠宮君はすごいです。さっきも山田先生のことも助けてたし。」
「あれはそうしないと、話しが進まなかったからだ。」
「それだけじゃありません。篠宮君はいつも困っている人に手を差し伸べてました。篠宮君は皆に慕われてます。」
「・・・・・・・・・。」
むう。確かに懐かれている自覚はあったが、こうも真正面からいわれるとむず痒いものがあるな。
俺が内心悶えていると、
「それに比べて私は・・・。」
甘粕が暗い顔をしている。なんだなんだ。どしたあ。
「どうしたんだ、いったい。」
「私は皆よりおねえさんなのに、頼りないし、助けようと思ってもどうにもできない。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ