暁 〜小説投稿サイト〜
ラドゥの更新停止作品&短編作品集
第二話 幼稚園ですか
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山田先生がクラスの皆に呼びかける。しかし、


キャっキャっ。

効果は今一つのようだ。

「あわわわ。」

先生はあわてているだけで、どうしていいかわからないようだ。・・・しょうがないなあ。

俺は席を立ち、手を叩く。

そうすると、クラスの皆の視線が俺に集まる。あっ!くまちゃん菓子食ってる。あとで注意しないと。

「先生が困ってんだろ。お喋りはそこまでにして、とりあえず二人一組になろうぜ。」

俺がそういうと、クラスの皆は俺のいうとおり動きだす。先生のほうを見ると、






「(キラキラキラ)」
もの凄い感謝の目で見られた。正直そんな目で見てくるくらいなら、もうちょっと、ちゃんとしてほしいのだが・・・。まあこの先生はなったばかりらしいから、しょうがないか。・・・・・・まあこの人のフォローばかりしていたら、いつのまにかクラスのまとめ役みたいになってしまったんだが。

「さってと。」

人のことばかり気にしていないで、俺も相方見つけないと。そういって辺りを見回していると、

「あ、あの。」
「ん?」

遠慮がちな声が聞こえたほうにむくと、そこにはピンク色の髪の小柄な女の子がいた。確か・・・

「甘粕だったけ?」

確か“甘粕真与”っていう名前だったな。

「ひゃい、いっしょに組んでもらってもいいでしゅか?はわわ、噛んじゃった。」

・・・どこのはわわ軍師だお前は。

「とりあえず、落ち着け。俺なら大丈夫だから。よろしくな甘粕。」
「は、はいよろしくお願いします。」

今日は二人一組になって相手の似顔絵を描く時間。

あまり自信はないが、下手なものを書くと相手に失礼なので、黙々と一所懸命に書いていると、

「篠宮君は凄いですね。」

甘粕が話しかけてきた。なんの話だ?

「なんの話だ?って顔してますね?」

「む。口にだしてたか?」

「顔にでてました。」

そういって甘粕はほほ笑む。

む〜。ポーカーフェイスには自信があったんだが。

「篠宮君はすごいです。さっきも山田先生のことも助けてたし。」

「あれはそうしないと、話しが進まなかったからだ。」

「それだけじゃありません。篠宮君はいつも困っている人に手を差し伸べてました。篠宮君は皆に慕われてます。」

「・・・・・・・・・。」

むう。確かに懐かれている自覚はあったが、こうも真正面からいわれるとむず痒いものがあるな。

俺が内心悶えていると、

「それに比べて私は・・・。」

甘粕が暗い顔をしている。なんだなんだ。どしたあ。

「どうしたんだ、いったい。」

「私は皆よりおねえさんなのに、頼りないし、助けようと思ってもどうにもできない。
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