第十八話
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あ、傭兵《銀ノ月》の存在自体が、デマのように扱われている為か、プレイヤー達には技の情報は割れていない。
「俺は、お前だなんて思っちゃいない……!」
事情を知るキリトが憤りを見せてくれるのは正直嬉しいが、こればっかりは仕方あるまい。
話していない俺が悪いのだ。
「こういう事件がある度に俺が疑われちゃたまらない。……今の俺の状態、話してやるよ」
キリトはほぼ知っているので、アスナにしか話すことにはならない。
今は、人気が全くないこの《アルゲートそばや》に感謝だ。
「ああ、もちろんだけど新聞屋とかには話さないでくれよ」
もちろんです、とでも言いたげなアスナの頷きを見て、まずはどこから話すものかを考える。
「そうだな……俺はまず、あっちではソードアート・オンラインどころかVRMMOのジャンルにすら関係がなかった」
このゲームの参加者は、だいたいがゲームマニアかゲーム会社関係者だったりするので、あまりネットを使わない俺には慣れるのが大変だった。
なにしろ、たまに日本語なのに日本語じゃないのだ。
「それである日。茅場昌彦から《ナーヴギア》が届いた」
「茅場から……?」
事情を知らないアスナが頭に疑問符を浮かべたので、説明を入れる。
「俺の家は、昔からの剣術道場だった。その剣術を、このソードアート・オンラインでやれるか試して欲しい、っていう茅場からのメールを見てな……挑戦状とか勝手に勘違いして、こっちの世界に始めて来て……まあ、後は知っての通りだ」
5時30分。
このソードアート・オンラインは、デスゲームと化した。
「それから、偶然会ったキリトに連れられて、次の街《ホルンカ》に向かった。……そして、その時の戦闘で気づいたんだが……俺には、《ソードスキル》が使えない」
「ソードスキルが!?」
この世界の生命線とも言える《ソードスキル》
それが使えないと知ってだろう、アスナの声が驚愕の色に染まる。
「それに、《索敵》やら《隠蔽》みたいな戦闘用スキルも使えない。代わりに、現実世界の俺の剣術が使えるようになってた。……あの茅場が何を考えているのかは知らないが、今の俺はそういう状態だ」
「酷い……!」
アスナは怒りを露わにし、キリトはこの話は知っているが、聞かされて気持ちよいものでは無いのだろう、その表情はやるせない表情だった。
「俺のステータス画面、とりあえず見といてくれ」
通常、ステータス画面は自分以外には見えないものの、可視モードには出来る。
メニューを操作して、ステータスを可視モードにして二人に見せる。
……ここから先は、キリトにも話してなかったか。
「……ッ!?」
「な、何、これ……?」
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