第五十六話 中華街その十二
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「まずはプレゼントで」
「完全に合わないかっていうとな」
中田は女子高生、制服姿の少女が日本や中国の扇を持っている姿を想像してみた、制服は八条学園高等部のものの一つでダークブルーのブレザーにミニスカート、赤いネクタイと白いブラウスのものだった。
顔は彼の贔屓である渡辺麻友さん、通称まゆゆだ。その美少女女子高生と扇子の組み合わせを想像してみると。
「案外いいな」
「いいですか」
「まゆゆがするとな」
ついつい自分で言ってしまう。
「最高かもな」
「中田さんアイドルにも興味あるんですか」
「あるよ」
実際にそうだというのだ。
「実際にさ」
「そうなんですか」
「AKBが好きでさ」
彼自身上城に笑って話す。
「その中でもな」
「渡辺麻友ですか」
「まゆゆいいよな」
中田は笑って目を輝かせて語る。
「可愛いよな。それにな」
「あの、何か」
「歌も上手だしな。スタイルだってな」
「いいでしょうか」
「お尻の辺りとかがいいんだよ、胸だってあれでな」
「アイドルそこまでお好きなんですか」
上城は中田の意外な趣味に唖然としながらそして言うのだった。
「意外ですけれど」
「そんなに意外か?」
「相当に。そう思います」
「まあな。俺は趣味は自分から言うのはな」
あまりないというのだ。
「けれど話筋はな」
「その時はでか」
「こうして話すからな」
かなり熱心にだというのだ。
「まあそれでだけれどな」
「扇ですね」
「あながち合ってもないだろうな」
言いながら制服姿のまゆゆが開いた扇を胸の前に置いてにこりとしている姿も想像する。
「まゆゆクラスだとな」
「渡辺麻友位になると何でも似合いません?」
「まゆゆな」
呼び名にもこだわりを見せる。
「この呼び名な」
「本物ですね」
「本物?何がだい?」
「はい、中田さんが」
彼がだというのだ。
「本物だと思いまして」
「ああ、本物のアイドルマニアっていうんだな」
「AKBマニアdすよね」
「それ言うとAKBだけじゃないんだよな」
本人も笑って上城に返す。
「今もハロプロチェックしてるしな」
「モーニング娘。だけじゃなくて」
「そうだよ、あやや特に好きだな」
ハロプロでは彼女だった。
「あとももくろとかも好きだな」
「そちらもチェックされてるんですね」
「男のアイドルも観てるよ」
「ジャニーズですか」
「あれもな。まあとにかくアイドルは昔から好きなんだよ」
「今は特にですね」
「AKB系列な」
とにかく増えてAKB一つでは言えなくなってきている、だから中田はここでは系列という言葉を使ったのである。
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