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久遠の神話
第五十六話 中華街その九
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「最近の共和党は」
「極端だというのですね」
「政治的発言は軍人が行うのはどうかと思いますが」
「オフレコということで」
「そうして頂けますか」
「私もオフレコにさせてもらいますので」
 だからお互い様だというのだ。
「ではその様に」
「お願いします、ではですが」
「はい」
「右に寄り過ぎていますね」
「ネオコンだのという話がありますね」
「元々は民主党の左派だったそうですが」
 それが民主党内、当時のクリントン政権に受け入れられずそれで対する共和党に流れていったと言われている。
「共和党の右派になったのですね」
「全く逆と思われる方に」
「逆の方に入ったのに合っていますね」
「そうですね、そのことですが」
 そのオフレコと言ったスペンサーも言ってきた。
「円をひたすら右に回っても左に回っても」
「行き着く先は同じですか」
「極端になりますね」
「そういうことですか」
「ですから民主党左派も共和党右派もです」
「どちらも同じになる」
「ネオコンがつきやすくなるのでしょう」
 その極端な思想を持つ彼等がだというのだ。
「それで共和党は彼等に主導権を握られたので」
「ああなってしまったのですか」
「おそらくは」
 スペンサーは己の前に立つ下士官に述べる。
「私はそう見ています」
「ですか」
「極端な思想は多くの人には受け入れられにくいです」
 極端は過激になる、それで多くの人にとては好ましくないものに思えてそれでどうしてもそうなってしまうというのだ。
「ですから」
「近頃の共和党は、ですか」
「今一つ振るわないのでしょう」
「今のプレジデントは当初は共和党の中で穏健派でしたが」
「ですから民主党の大統領候補にも勝てましたね」
「はい、それで支持を得られて」 
「しかしすぐにスタッフにネオコンが多くなり」
 つまり政権を政党内部の闘争の結果主導権を奪われたというのだ、こうしたことはアメリカでもあることである。
「政策も実際に極端になり」
「それで、ですね」
「中間選挙でも破れ」
「今の選挙でもですね」
「破れるのでしょう」
 そうなるだろうというのだ。
「それが私達の勤務先にも関わりますので」
「気になるところですね」
「民主党の大統領候補が勝ち」 
 スペンサーは言いながらその目を光らせる。
「その政策次第では」
「民主党の政策は穏健ですね」
「はい」
 少なくとも共和党、今の彼等から比べるとかなりだ。
「中庸と言っていいですね」
「中庸が常にいいとは限りませんが」
「それでもですね」
「政策はかなり穏健なものになります」
「ということは」
 スペンサーは自分の真の任務のこともここで考えた。
「私もかなり変わりますね」
「士官の方の任務
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