第四十四話 高校の運動会その十三
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「そっちを味わったらどうかしら」
「じゃあ梨とか?」
彩夏が次に挙げたのはこれだった。
「それとか?」
「彩夏ちゃん梨好きなの」
「うん、大好きなの」
実際にそうだというのだ。
「もう食べだしたらね」
「止められないとか?」
「あの水っぽさと爽やかな甘さがね」
その二つだった、彩夏が梨を好きな理由は。
「いいからね」
「そうなのね」
「梨もあるわよね」
「ええ、あるわよ」
秋の果物の代表の一つだ、それならというのだ。
「あるから」
「じゃあね」
それならとだ、彩夏は笑顔で応えた。そのうえで言う。
「楽しみにしてるわね」
「ないのは松茸だけかしら」
里香はこの茸を話に出した。
「茸もあるっていうけれど」
「ちょっとね」
流石にそれはとだ、景子も里香に残念そうな顔で答える。
「それだけはね」
「やっぱりそうよね」
「他の茸は一杯あるけれど」
だが、だというのだ。
「それだけはね」
「高いからよね」
「お供えは来るけれど」
神社へのだ、それはあるというのだ。
「それでもよ」
「私達が食べるのは」
「それはなのね」
「そう、無理だから」
流石にその松茸だけは、というのだ。
「諦めてね」
「まあ仕方ないよな」
美優もこれで終わらせた。
「ものがものだからな」
「そうなのよね」
「別格で高いからな」
「北朝鮮産も昔はあったけれど」
スーパーにも売られていた、だがだというのだ。
「今はね」
「ないよな、やっぱり」
「それに八条神社もうちの神社もブルーリボンあるし」
拉致被害者の救出を願っているという証だ、尚とある左翼政党の元首相二人は拉致の実行犯から金を受け取っていたどころではなく資金援助をしていた。こうしたとんでもない話もこの世には存在しているのだ。
「北朝鮮産は最初からね」
「受け取らないんだな」
「受け取らない方針なの、折角のお供えだけれど」
北朝鮮産だけはというのだ。
「まあお供えに持って来たっていうお話もないけれど」
「普通そんな国のは買わないわよね」
琴乃も顔を顰めさせて言う。
「犯罪国家のものだから」
「そうなの、だからこれまではね」
北朝鮮産自体がだというのだ。
「なかったわ」
「それはよかったわね」
「ええ、本当にね」
景子もほっとしているという感じで琴乃に応える。
「というか北朝鮮産の松茸ってどんなのかしら」
「かなりしなびてると思うわ」
里香がこう話す。
「何かの本で読んだけれど北朝鮮に行った人が松茸をご馳走になったけれど」
「その松茸がしなびてたの」
「それを誇らしげに出してね」
それに加えてだというのだ。
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