第七十一話
[8]前話 [2]次話
第七十一話 転校生の胸
黒く膝まである髪を後ろで束ねており黒い瞳は琥珀の様だ、その顔は人形の様に楚々としたものである。
その彼女を前に見てだ、華奈子はクラスメイト達に言った。
「ちょっと、あの娘って」
「そうよね、かなりね」
「可愛いわよね」
「アイドルじゃないわよね」
こうまで言う華奈子だった、背は小柄だが黒い半ズボンから見える脚はとても綺麗で白いシャツもかなり似合っている、しかも。
「胸がね」
「うん、ちょっとだけれどね」
「出てきてるわよね」
「私達なんてまだなのに」
「それが」
小柄だが発育がいいのだ、それが特に胸に出ているのだ。華奈子は彼女の胸を見てから自分の胸を見て言った。
「あたしなんかね」
「いや、華奈子ちゃんは大きくなるわよ」
「多分だけれどね」
クラスメイト達はこう華奈子に言う、転校生の娘を見て羨ましそうになった彼女に。
「お母さんそんなに胸が小さくないでしょ」
「親戚の人で小さい人いないでしょ」
「だったらね、小さくならないわよ」
「牛乳も好きだし」
「うん、牛乳は好きよ」
実際にそうだと答える華奈子だった、華奈子だけでなく美奈子も牛乳は大好きでいつもよく飲んでいるのだ。
「牛乳を飲むと胸が大きくなるのね」
「そうみたいよ、だからね」
「華奈子ちゃんそんなに気にすることはないわよ」
胸のことはというのだ。
「大きくなるわよ」
「気にしないでね」
「だといいけれど、とにかくね」
あらためて言う華奈子だった、その言うこととは。
「あの転校生の娘だけれど」
「うん、あの娘ね」
「あの娘がどうしたの?」
「何か名前が」
それがだというのだ。
「花京院亜美さんよね」
「自分で黒板に書いてたしね」
「それがあの娘の名前ね」
「何かその名前を聞くと」
どうかとだ、華奈子が言うことは。
「お公家さんみたいね、京都の人かしら」
「そのこと聞いてみたら?本人に」
「何処の生まれか」
「そうね、それがいいわね」
華奈子も頷いてだ、そうしてだった。
このことからその転校生花京院亜美とはじめて話すのだった、あらたにやって来た魔女の娘でもある彼女と。
第七十一話 完
2013・9・12
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ