暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
妖精達の舞踏会
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開いた口が塞がらなかった。現実世界なら、あごが外れてしまっているかもしれない。

―――これが……、種族の本気。

普段、手の内を互いにひた隠しにしている妖精九種族は、その真の実力、本気の攻防を繰り広げることはかなり少ない。いや、ALO開闢以来なかったと言ってもいい。

それが今、リーファの目の前で広げられている。

ゾクゾク、とした興奮が背筋を這い登った。

アルンの街を全壊させたキリトとレンの圧倒的戦闘を目の当たりにしたときもそうだったが、ALOにはこれほどの者がいるのだ、という興奮。そして未知の物を見たときの興奮。

冷却時間(クーリングタイム)交替(シフト)ッ!!」

スッ、と大規模攻撃を放った部隊が音もなく数メートル滑るように下がり、入れ替わるようにして第二の隊がそのあぎとを抉じ開けた。

世界の全ての音と光を詰め込んだような衝撃が空間をびりびりと震わせ、時間をびりびりと引き裂く。

「第二陣!!()――――――ッッ!!!」

再びの閃光。

再びの轟音。

白銀の騎士達の大きな体躯が空中に溶け崩れ、灰も残さずに蒸発していく。圧倒的な情報圧の名残だけが、単純な熱量として頬を嘗め回していく。チリチリ、と髪の毛の先が焦げていくような錯覚さえ覚える。

「隊長!次ぃ撃つまでにはフルブーストしても三分は掛かりますぇ〜!」

「おっけー、ヒスイ!そろそろ覚悟決めないとね、ルーねーちゃん!!」

京都弁と関西弁が中途半端に混じっているような狼騎士(フェンリル)隊副隊長であるヒスイの声に、レンはあちこちに指示を飛ばし、自らも飛竜に乗る《軍神》アリシャ・ルーに叫ぶ。

振られたアリシャは、とうもろこし色のウェーブヘアから生える二つの三角形の耳を緊張にぴくぴくと震わせながらも、しっかりと頷いた。

次いで、傍らのサクヤに視線を投げ掛け、頷き合って二人して全軍を仰ぎ見た。

「「全軍、突撃いいぃぃぃ――――ッッ!!」」

本当の聖戦が、始まった。










それは、間違いなくこの世界で行われた最大の戦闘だった。

最高が、先程のレンとキリトのアルンを崩壊せしめた戦いならば、今行われているこれは最大、だった。

後方から時折放たれるブレスによって、守護騎士達が次々と炎上、蒸発して空中へと消えていく。一個の弾頭のように密な陣形を取るシルフ部隊は、肉の壁に更に深い穴を穿つべく、押し寄せる巨人達を凄まじい威力を持つ長剣で切り倒していく。

その弾丸の先端に立つのは、黒衣と紅衣と白衣の人影。

それぞれの得物達は、その一閃一閃が神速と言うよりない勢いで振り回され、触れるもの全てを同時に崩壊、霧散させていく。

三人は言うならそう、一つの個体のよ
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