プロローグ
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「くるな…、誰も来るなぁぁぁ !」
一人の少年が必死にとある戦場を逃げ回る。必死に生にしがみつく。
全神経を周囲に集中させているからかどうかはわからないが、自分の足音と背後から聞こえる足音が今まで聞いた音よりも脳内に響き渡る。足音が自分に近づくということはその少年のデッドエンドも近づくということである。
天候は雨。普段なら水たまりを避けて足を進めるのだがそんなことをしている余裕はない。ビチャビチャと泥水がかかりながらも、そして体がボロボロになりながらも少年はまだ足を進める。だが、
「そろそろおいかけっこも終わりだ…、ここで死ね」
少年は男に捕まり、男が馬乗りの状態となる。少年は動きを封じられた。
「い、いやだ…、死にたくない ! 」
「これは戦いだ。どちらかが生きて、どちらかが死ななきゃならない」
その男はクナイを振りかざし、少年の心臓を貫こうとする。
「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ !」
少年は死にたくないという思いから、叫び声をあげる。
「ああああああああ !」
何が起こったのだろうか。
気が付けば少年を殺そうとしていた男は黒い炎に包まれ、地面に伏していた。雨が降っているにもかかわらず、その炎は消える様子を見せない。
「ウッ ! 右眼が…、痛いよぉ…」
少年の右眼からは血涙が流れていて、眼球に激痛が走るのを少年は感じた。だが、足を止めている余裕はない。すぐに新たな追手が来てもおかしくない。少年は立ちあがり、深い闇の中へその身を隠していった。
この物語は、うちは一族殺害事件後、生き残ったサスケとは違ううちはの少年、うちはダンテの物語である。
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