プロローグ 力無き者の願い
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〜〜〜数年前〜〜〜
「うわああああああああああああ!父さん!母さん!璃緒(りお)!どこだ!」
少年は錯乱していた。崩落している我が家を前に。
まだ義務教育も終えていないであろうやや幼さが残る少年は、夕時にも関わらず大声で家族の名を呼んでいた。
「なんだ・・・?」
「チッ、ここの家の奴か・・・仕方ない、我等を見られたからには殺すしかあるまい・・・」
ダッ!
「おい!まて!」
どこだ・・・どこにいるんだよ、父さん、母さん、璃緒・・・
「にい・・・ちゃん?」
「!璃緒!」
そこにいたのは、彼の妹「伊守璃緒(いかみりお)」だった。
だが、彼女はすでに虫の息だった。
「璃緒・・・死なないでくれよ・・・父さんも母さんももう死んでた・・・お前に逝かれたら1人になっちまう・・・」
「にいちゃん・・・私の力を・・・せめて、にいちゃんが生きるために・・・」
そのとき、彼女の弱弱しい光が、彼の中に入っていった。
「にいちゃんに・・・私の全部託したから・・・私の分まで生きて・・・」
「おい・・・璃緒?璃緒!」
彼女はもう息をしていなかった。 そう、死んだのだった。
「ここにいたか」
「まったく・・・我々に手間をかけさせるな。さっさと始末してやる」
「ふざけんな・・・」
「あ?」
「なんで父さんや母さん、璃緒が死なないといけないんだよ・・・」
「ここにあった神器が危険だと判断されたのでな」
「そんな・・・そんな理由で俺の家族を殺したのか・・・ふざけてんじゃねええええええ!」
そのとき、彼の頭の中に声が聞こえた。
『君は・・・優しいね。』
『え・・・?誰・・・?』
『君の中にある神器(セイクリッド・ギア)の魂のひとつだよ』
『力を・・・貸してくれるのか?』
『うん、君の力になるよ』
『頼む・・・あいつらを倒す力をくれ!』
『『『『『任せて、さあ・・・名前を呼んで』』』』』
ああ・・・
「ブラック・・・ロックシューター・・・」
「なんだ?」
カッ!
「な、なんだ!?急に神器の反応が!?」
彼を突然光が包み、光がやむと・・・
短かった黒髪が伸び、不揃いなツインテールに変わり、黒いマントをはおった少年が、巨大な筒のような物を持っていた。
「くっ、さっさと始末するぞ!」
堕天使が光の槍を投げるが・・・
ガキン! ドスッ!
「カハッ・・・バカな・・・私の槍を吹き飛ばし、返り撃ちにしたというのか・・・」
少年の筒から放たれた弾は堕天使の放った槍を弾き、堕天使に直撃したのだった。
「・・・吹っ飛べ」
ズガン!
この一音と共に堕天使は消え去った・・・
Side もう一人の堕天使
まさか、あのような
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