これで おあいこな
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される・・・
「・・・せ」
事はなかった。(本日二度目)
何者かがガジルの手首を掴み、それを止めたのだ。
「なっ!?テ、テメェ・・・!」
ガジルはその人物を見て、思わず目を見開いた。
気づいた人も多いだろうが、その人物とは・・・
「ハァー・・・ハァー・・・ハァー・・・!」
先ほど相手をしていた男・・・既に限界であろう体に鞭を打ち、苦しそうに息を乱しているナツだった。
「・・・を・・・なせ」
「あ?」
「・・・アを・・・なせ・・・」
「聞こえねぇよ!」
途絶え途絶えにナツが呟く。
ガジルが聞き返したその時、ナツはガジルを睨みながら叫んだ。
「ティアを・・・放せぇ!!!」
その瞬間、ナツの掴むガジルの手首から、メキッと軋む音が響いた。
「ぐおああっ!」
あまりの痛みにティアの掴まれていた髪がガジルの手から離れる。
(コイツ・・・魔力もほぼねぇのに・・・どこにそんな力が!?)
ガジルが痛みを堪えながら驚愕している間に、ナツは自分の腕の中にティアを引き寄せる。
「・・・助けてなんて・・・頼んで・・・ないわ・・・」
「ハァ・・・ハァ・・・可愛くねぇ奴・・・」
こんな時でも全く可愛げを見せないティアに、ナツは素直な感想を述べる。
「ハッピー!ティアを・・・」
「バカ」
「んなっ!?」
頼む、とハッピーにティアを任せようとした時、ティアがぼそりと呟く。
距離が近く・・・まぁそうしたのはナツなのだが・・・しかもナツは滅竜魔導士である為、はっきり聞こえていた。
「私はまだ戦えるわ。それに、あの蛇女は私の獲物よ。誰にも渡さない」
その強い意志のこもった目を真っ直ぐに見つめ、ナツはいつもの笑み、とまではいかないが、笑みを浮かべた。
「・・・そう言うと思った」
ティアはすぐさま立ち上がり、シュランと再び対峙する。
真っ直ぐにシュランを睨みつけるティアに対し、シュランはガジルの方を見ていた。
それを確認したナツは、よろよろとガジルに向かう。
「いい加減沈めよ火竜!」
「うああっ!」
ガジルは向かってきたナツに、容赦なく蹴りを加える。
「俺は手加減って言葉知らねぇからよォ。本当に殺しちゃうよ、ギヒヒ」
そう言って邪悪な笑みを浮かべながら、ナツに攻撃を加え続ける。
「ジュピターの破壊、エレメント4との激闘・・・魔力を使い過ぎたんだ!炎さえ食べれば、ナツは負けたりしないんだー!」
ハッピーが叫ぶ。
そしてその叫びを聞いていた者が一人・・・いや、一体。
「なるほど」
その叫びを聞いた星霊・・・サジタリウスが動き出す
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