1年目
夏
夏B〜世界中のだれよりもきっと〜
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ったのか…。
「ん…?でもなんでまた見えるようになったんだ?俺はもう完全に探すことを諦めていたのに。」
それはね…。と「彼女」はニヤニヤしながら答える。
「最初に言ったでしょ?幽霊は“鏡”に映るものだ、って。」
なんだよ、そりゃ…。
いままでの行動は全部“骨折り損のくたびれ儲け”だったってことか。
そう思った途端、体にドッと疲れがくるのを感じた。
「でも、私は嬉しかったなぁ。あんなに必死で私を探してくれるんだもん。さちー、さちー、って。」
そう言って俺の真似をして「彼女」は俺をからかってくる。
そんなこと言ってない!、と反論し、その行為を止めようと「彼女」の手をつかもうとするも、私は見てたもーん、と舌を出しながら壁の中へと姿を消してしまった。
俺はそれが悔しいやら、恥ずかしいやらで、頭を掻きまわす。
そして、しばらくしたか思うと「彼女」は壁から顔だけ出してくる。
「拓海…、ありがとね。」
その突然の言葉に、俺は「彼女」から顔を背け、おう…、としか答えられなかった。
それから、“幽霊部屋”について流した噂よりも、“幽霊部屋の話をする変なおじさんが出る”という噂のほうが子供たちの間で広まっていたことを俺が知るのは、ここからしばらく経ってのことである。
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