暁 〜小説投稿サイト〜
悪霊と付き合って3年が経ったので結婚を考えてます
1年目

夏B〜世界中のだれよりもきっと〜
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できっとまた「彼女」が現れてくれる。そのことだけを考えて家まで走りきった。






―――だが、部屋に「彼女」の姿はなかった。

 膝をつき、崩れ落ちるようにして床に座る。
公園の子供たちだけではダメだったのか……。
それだけ俺が忘れてしまっていたことは重かったのだ。
そう考えると自分が悔しくて仕方なかった。

……まだ何かが足りないんだ。

 その思いから、俺は立ちあがるとすぐに机の上に置いてあるノートパソコンを立ち上げた。
そして、インターネットを開くとおもむろに、あるページへとアクセスする。
今やだれもが知っている日本最大の電子掲示板サイトである。
その莫大な情報の渦に頭をくらくらさせながらも、一つ一つ丁寧に文字を打ち込んでいく。

“東京都××区にある幽霊部屋を知っていますか?”

公園の子供たちでダメならば日本中、いや、世界中の人に「彼女」を知ってもらおうと思ったのだ。
すぐさま、その問いかけに掲示板の主たちは反応を返してくる。


58 匿名希望(東京都) 20××/8/20(水) 19:21:56.32 ID:HgW7kra03
しらねーよ。くだらねぇこと言ってんじゃねぇ、カス。


そのあまりに粗雑な言葉に俺は怒りを覚えたが、グッと我慢し、投稿を続ける。

“25年前に殺された女性の霊が出るらしいのです。結構有名だったと聞いています”

だが、その問いかけは無残にも聞き流され、言葉の海に沈んでいく。
…ダメか。
そう思い半ばあきらめかけていた。そんな時、一つの返信が届いた。


140 匿名希望(東京都) 20××/8/20(水) 20:01:18.72 ID:YoU031Ru0
>>56 あ、今思い出した。それ確かに聞いたことある。昔は結構有名だったよね。


その言葉を見た途端、俺はパソコンにかじりつくかのように体を乗り出す。そして、その一つの返信に共鳴するかのようにたくさんの噂が流れ始める。


148 匿名希望(東京都) 20××/8/20(水) 20:08:39.99 ID: cyn8Rj3J0
>>56 俺も俺も。ガキの頃によく肝試しに行ってたわ。んで、部屋の前で呼びかけると返事が返ってくるんだよ。嘘じゃねぇ、って!


 そんな言葉の数々に、先ほどまでは無関心だった人たちさえ、マジ?、やらせだろ、などと興味を示すようになってきた。中には、本当に声を聞いたことがある、と言う人まで出てくるほどだ。そして、ついには“東京都××区にある幽霊部屋検証スレ”といった題目でスレッドが立ち上がるまでになった。その光景に、俺は口をポカンと開けながらも、心の中では喜びが隠せないでいた。
…これならどうだ。
 そう思いながら、心臓が爆発するの
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