暁 〜小説投稿サイト〜
もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
分割された小さな物語とオシマイの気配
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「シャインの協力のおかげですよ」

そういってリニスはにっこりとシャインに微笑みを投げかけた。
・・・正直、気恥ずかしい。体が9歳でも精神は意外と前世に近い感性を残しているので、リニスのような美人にそんな顔をされると・・・あれだ、その、照れる。

だらしない顔をしているような気がする自分の顔を見せまいと目線を逸らすと、リニスにそのまま抱きしめられた。突然の出来事に体の反応が遅れ、そのまま軽々と胸元へ抱き寄せられた。

「おわっ!?ちょ、リニス!?」
「ふふ、何をそんなに恥ずかしがっているんですか?」

このニャン公こっちの反応を見て楽しんでやがる・・・あー畜生、包み込んでくるリニスの包容力がヤバい。あったかいしなんかいい匂いするし柔らかいし、甘えたくなってしまいそうだ。例えるならばそう、母親に身を預けるような・・・と、イカンイカン。どうにか抵抗せねばこの圧倒的な母性に呑まれてしまうかもしれない。

「甘えたいんなら、甘えて良いんです」
「うぇ?んなこと言ったって・・・」

突然の言葉に戸惑う俺。んなこと言ったって精神年齢20歳以上にそんな行動はハードル高すぎやしませんか?とそう思ったのだが、リニスはリニスで別の事を考えていたようだ。それを思い知らされて、俺はちょっと自分が浅慮(せんりょ)だった事を思い知った。

「精神がどうかは別として、貴方の身体は紛れもなく9歳の子供です」
「それはまぁ、確かに」
「普通なら家族や周囲に沢山甘えて然るべきです。そう、今のフェイトの様に!」
「あー、たしかにフェイトは俺にもプレシア母さんにもリニスにも良く甘えるな。アルフともじゃれ合ってるし、困ったらすぐにバルディッシュに頼ろうとするし」
「言い換えれば、子供は本来無邪気で甘えん坊な生き物なのですよ」
「・・・・・・俺はそうはなれんよ。する気もあんまり起きないし」
「私には、それが嫌なのですよ」

きゅっと少し強く抱きしめられた。リニスの髪が頬に触れる。顔は伺えないが少なくとも楽しそうな顔はしていないであろうことは想像がつく。
いつかプレシアが言っていた。リニスは母性の強い山猫が素体となったから、彼女自身も愛情深いのだと。

「正直、貴方の在り方は昔のフェイトよりも痛々しいです。子供らしく振る舞えない子供ではなく、自分が子供である自覚さえない」
「無限力を垣間見たなら何となく分かるんじゃないの?俺はリニスより年上だよ」
「それでも、貴方は子供です」
「よしてくれってば・・・そういう風に言われると俺が悪いことした気分になるよ」

しばしの沈黙。やがて、リニスは俺の背に回した両手をほどいた。

「・・・わかりました。ではアプローチの仕方を変えましょう」
「?」


「わたしは貴方をなでなでしたり抱
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