第一物語・後半-日来独立編-
第五十五章 君の元へと《2》
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来る。
「落ちろ――!」
落下に入った八頭はなす術無く落ちていくが、交代するように地上から新たな者が来た。
清継による攻撃がセーランへと届く前に、相手と対峙するように一人の忍者兼侍が来た。
「させぬで御座るよ!」
相手の攻撃が行われる前に、忍者兼侍である魅鷺は打撃を放った。
空中で武器を振ることは、地上で振るのとはわけが違う。だからこの身による攻撃が素早く攻撃出来る。
地面に押し返すように、相手の胸元少し上を平手打ちした。
宙なのだから支えもなく、軽く地上へと向かって行った。
背から地上に向かうなかで。
「まだです!」
言い、宙を蹴り飛ばしたような動作をして、再び上がって来た。
「噛み合え! 右鎖、左矢!」
清継は両手に持った槍を、勢いよく刃と刃でぶつけた。
冷たい金属音が鳴るや否や、何も触れていない筈の魅鷺の肌が切れた。
「む……?」
事態が掴めなかった。
急に肌が切れ、制服兼戦闘服も同じく切れた。
しかし傷は浅い。
ゆえに魅鷺は事態の把握ではなく、攻撃を仕掛けるのとを優先した。
「セーラン殿、足場を!」
「了解!」
魅鷺の足元にセーランによる流魔操作によってつくられた足場が現れ、その足場に足を置き、加速系術・駆々走を発動した。
効果は至って簡単。
最低からの最大、最大からの最低の速度を約束するものだ。
相手との距離は三メートル以内であり、これならば行けると感じた。
駆々走を発動し、額の前にその名が表示された映画面|《モニター》が現れ、なので前に進むと同時に額で映画面を割る。
清継の懐へと入った魅鷺は、相手が行動を起こす前に行動した。
「手荒な真似、すまぬ」
付げ、
「――っ!? 一体何が……!」
気付けば清継の身体には、鈍く光る鎖が巻き付けられていた。
上半身のみだったが、鎖は両の腕も巻き込んで縛っていた。
忍になるための技術の一つだ。
“早絞め”と呼ばれるものをやったのだ。
普通の者なら、まるで一瞬に思えるがそうではない。だが清継は理解出来ず、縛られたまま落ちて行った。
先に甲板上に落ち、着地していた繁直により清継は受け止められたが、大きな隙を生む結果となった。
目の前に邪魔するものは無く、隙が生まれた瞬間にセーランは動き出した。
「ありがとな」
「ここは任せておけ」
「後少しで御座るよ!」
宙を行ったセーランを見て、戦闘艦の甲板にいた繁直は休む暇無く映画面を表示し指示を飛ばした。
指示を飛ばす先は、既に空へと上がっていたワイバーン級戦闘艦だ。
「撃て! 撃てえええ――――!」
叫び、事態の重要さを伝える。
ここを抜けられてしまえば、流れが一気に日来側になる。なんとしても耐えねばならない。
外装甲
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