第35話 「さあ、こちら側に来るのだ。ラインハルト」
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を、見てないような気がしますね。
これでいいのでしょうか?
わかりません。
というか、わかりたくありません。
わたしはまともです。正常です。ノーマルなんです。
ラインハルト様とは違う。
同類とは思われたくない。壁に掛けられているわたし用のドレスを睨みつつ、そんな事を思う今日この頃……。
帝国はどうなってしまうのでしょうか?
この腐った幼年学校内でも、わたしだけでもまっとうに生きなければっ!!
両親の願い通りに教師になるべきかもしれない。それとも経営学を学ぶべきか。だけど軍人にならなければ、学費を返還しなければならない。宰相閣下はそれぐらいは、出してやろうと仰ってくださっている。甘えた方がいいのだろうか……。
悩んでしまいます。
それにやる気があるのも結構ですが、相手は“あの”宰相閣下です。
正直言って、ラインハルト様では、勝てそうにありません。
「またおしりぺんぺん、されますよ」
「言うなっ!!」
ラインハルト様がわなわなとこぶしを震わせて、俯いてしまいました。
よほど悔しかったのでしょうか?
しかしながら宰相閣下は、ラインハルト様をからかうのがお好きですし、またラインハルト様も、一々反応するから遊ばれてしまうんです。
しらっとした顔をしていれば、つまらなくなって、からかってこなくなると思いますね。
「いやだ!! あいつをぎゃふんと言わせてやりたい」
「またまた〜」
無駄な事を、という言葉を飲み込みました。
その反応がいけないと思うのです。
からかってくださいと言わんばかりの、その態度。
実は結構、楽しみにしていませんか?
「そんな事は無い。ないったら、ない」
「ふう〜ん。そうですかー」
「なんだ、その目は?」
「いえ、なにも〜」
何というのか……。
宰相閣下にじゃれついているようにしか、見えませんよ。
アンネローゼ様に甘えていたのが、そのまま宰相閣下に移行してしまったようです。
■フェザーン自治領府 ブルーノ・フォン・シルヴァーベルヒ■
フェザーンにバカな貴族と、ヨブ・トリューニヒトがやってきた。
一目見た瞬間、宰相閣下の仰る事が理解できた。
まともに相手をしないほうが良い。
確かにその通りの奴だった。
バカな貴族の方はトリューニヒトの所へ行っては、交渉の真似事をしているが、バカの考え休むに似たり。トリューニヒトの方が辟易しているらしい。
ざま〜みろって。
権限も与えられていないのに、交渉の真似事をしている時点で、失点なのだ。
家が取り潰されるかもしれない、という事も分かっていないらしい。
バカな、本当にバカな貴族どもだ。
さ〜まとめて潰そう。
「まったく、なにを楽しげ
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