ニシオリ信乃過去編
Trick-12-2_その人はきっと、A・Tの為に本気で涙を流してくれる人さ
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ろんな人を壊せればハカセは戻ってくるよきっと!
まずはキミからだ!」
「がぁ!」
時間かせぎの会話の間に回復したかったが、まったく痛みはひかなかった。
奴の機械の腕が再び腹に入った。
今度は正拳を真正面から受けてしまった。
『あれ? まだ壊れないの? しょうがない! 壊れるまで続けよう!」
奴は一歩下がり、もう一度大きく振りかぶる。
足の車輪で勢いを付けて、威力を上げるつもりらしい。
あれを喰らったら絶対にお終いだな・・・
こんな使い方、まるでA・Tが兵器みたいじゃないか。
・・・・あー、そうか。それは俺も一緒か。
ははは、あれだけA・Tが好きだった俺が、いつの間にか兵器としてA・Tを使ってたんだな。
俺は死を覚悟した。もう駄目だと思った。
だってほら。今だって死ぬ直前にあるスローモーションに見えるって状態にある。
そして走馬灯のように自分の記憶を、前世の記録が流れ始めた。
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それは降りしきる雨の中だった。
通行人がいない路地裏。降りしきる雨の中に倒れているのは一人の青年。
・・・・これは俺の記憶にはない。
ならば、前世の記録なのか?
いや、前世である≪しの≫の経験ではない。
・・・・・あぁ、わかった。この感じ。
今、俺はスカイリンクの映像を見ているんだ。
これは≪しの≫が死ぬ前に閲覧したスカイリンクに残っている記録だ。
俺の走馬灯は、どうやら根が深いらしい。
色々と記録を見てきたけど、この人は見た事がない。
スカイリンクに残っている記憶は膨大だ。本気で見れば一生かけても
見終わる事は無いだろう。
走馬灯で見た事のない記録すら読みだすなんて、世界でも俺しかいないかもな。
そんな自傷のため息をついているときに、青年に駆け寄る一人の少年がいた。
青年は誰だか知らないが、少年は誰だか知っている。
炎の王、スピットファイアだ。
正確に言えば、≪眠りの森≫時代より幼い。
だから炎の王と名乗る前の時期だろう。
「にーさん! イングにーさん! しっかりして!」
「やぁ、ケン。どうしたんだい、こんな所まで来て」
「にーさんが襲われるって情報を掴んだから助けに来たんだよ!
待ってて! 今救急車を!」
「だめだよ、ケン。私はもう助からないよ。傷が酷過ぎる
今はケンじゃなくて、スピットファイアだったね」
「そんなこと、今はどうでもいい!」
スピットファイアを、ケンと呼ぶ青年。
そして青年はイングと呼ばれている。
そうか、この人は重力子。
武内(たけうち) 空と
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