暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
ニシオリ信乃過去編
Trick-12-2_その人はきっと、A・Tの為に本気で涙を流してくれる人さ
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ろんな人を壊せればハカセは戻ってくるよきっと!

 まずはキミからだ!」

「がぁ!」

時間かせぎの会話の間に回復したかったが、まったく痛みはひかなかった。
奴の機械の腕が再び腹に入った。
今度は正拳を真正面から受けてしまった。

『あれ? まだ壊れないの? しょうがない! 壊れるまで続けよう!」

奴は一歩下がり、もう一度大きく振りかぶる。

足の車輪で勢いを付けて、威力を上げるつもりらしい。

あれを喰らったら絶対にお終いだな・・・

こんな使い方、まるでA・Tが兵器みたいじゃないか。

・・・・あー、そうか。それは俺も一緒か。

ははは、あれだけA・Tが好きだった俺が、いつの間にか兵器としてA・Tを使ってたんだな。


俺は死を覚悟した。もう駄目だと思った。
だってほら。今だって死ぬ直前にあるスローモーションに見えるって状態にある。

そして走馬灯のように自分の記憶を、前世の記録が流れ始めた。



-----------------------------



それは降りしきる雨の中だった。

通行人がいない路地裏。降りしきる雨の中に倒れているのは一人の青年。

・・・・これは俺の記憶にはない。

ならば、前世の記録なのか?

いや、前世である≪しの≫の経験ではない。

・・・・・あぁ、わかった。この感じ。
今、俺はスカイリンクの映像を見ているんだ。
これは≪しの≫が死ぬ前に閲覧したスカイリンクに残っている記録だ。

俺の走馬灯は、どうやら根が深いらしい。
色々と記録を見てきたけど、この人は見た事がない。
スカイリンクに残っている記憶は膨大だ。本気で見れば一生かけても
見終わる事は無いだろう。
走馬灯で見た事のない記録すら読みだすなんて、世界でも俺しかいないかもな。

そんな自傷のため息をついているときに、青年に駆け寄る一人の少年がいた。

青年は誰だか知らないが、少年は誰だか知っている。

炎の王、スピットファイアだ。
正確に言えば、≪眠りの森≫時代より幼い。
だから炎の王と名乗る前の時期だろう。

「にーさん! イングにーさん! しっかりして!」

「やぁ、ケン。どうしたんだい、こんな所まで来て」

「にーさんが襲われるって情報を掴んだから助けに来たんだよ!
 待ってて! 今救急車を!」

「だめだよ、ケン。私はもう助からないよ。傷が酷過ぎる
 今はケンじゃなくて、スピットファイアだったね」

「そんなこと、今はどうでもいい!」

スピットファイアを、ケンと呼ぶ青年。
そして青年はイングと呼ばれている。

そうか、この人は重力子(グラビティチルドレン)
武内(たけうち) (そら)
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ