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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
ニシオリ信乃過去編
Trick-12-2_その人はきっと、A・Tの為に本気で涙を流してくれる人さ
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り向く前に昇ったから、俺は奴の視線から外れる。

そう、高速移動は同等でも、機動力は圧倒出来るはずだ!


その俺の策をあざ笑うようにあいつは言った。

『上かい? なんか僕と同じような事が出来るんだね、君』


  Trick - Back Spin Wallride 360° Power Hand -


「!?」

俺と比べて、駆動鎧のパワーに任せた動きだ。
それでも、間違いない。これはA・Tの動きだ。

俺の動きを見て覚えた? 違う!
奴は言った。≪僕と同じような事が出来るんだね≫と。

つまりは元々から奴は知っていたのだ、この(トリック)を!

その信じられない事に、俺は動きを止めてしまった。

『死んじゃえ!』

「しまっ!?」

奴の裏拳が腹部に直撃した。

「かはっ!!」

肺の中の空気が全て出る。同時に血も吐き出し、内臓をやられた。

そのまま俺は地面へと落ちた。

「痛っ!」

『あはははは!』

奴も同じように地面へと落ちてくる。その足は俺を目がけて振り降ろされた。

ギリギリで俺は体を横回転して回避する。

が、振り降ろされた逆の脚で横に蹴り飛ばされた。

「はぁはぁはぁはぁ・・・」

『あは! いい感じだね! 一番ウマイよ!』

「はぁはぁ・・ウマイって、戦闘技術がか?」

何とか会話を繋いで、回復しないと! こんな時の為の戯言だ。

『え? なにいってるの? エア・トレックだよ!』

「・・・・・・今、何て言った?」

自分でも分かっている。何て言ったかは分かっている。自分が冷たくなっていくのも分かっている。

『一番ウマ「違う、その後だ」 エア・トレック?』

「そうだ。それ、どこで聞いた?」

『聞いたって、この実験施設はエア・トレックの為にあるんじゃないか!』

嘘、だろ?

だってA・Tは、何十年も前に、失われた技術だろ?

『ほら、君も僕も(トリック)を使ったでしょ?
 何を驚いているんだい?』

今、“トリック”って言ったか? (わざ)ではなく?

『でも僕の方がウマイみたいだね!
 ハカセが言っていたよ! 僕が最高傑作だって!

 でもヒドイよね? 僕が実験で一番だったのに役立たずだってハカセ言うんだよ!』

「それは、他の場所でも、実験が続けられているって、ことか?」

『そうだね。次は学園都市に行くって言ってたね!

 でも、君を倒せばハカセは僕が一番だって分かってくれるよ!』

ふざけるな。

まだ続いているってのか? 狂った実験が? A・Tの研究が?

『あ、そっか! まだ壊したりないんだね!
 そうだ! 外に出よう! い
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