ニシオリ信乃過去編
Trick-12-1_で、殺人者さんはなんでこんな所にいるのかな?
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なのに、なぜ俺はまだ生きている?
確かに腕には自信があるが、それは表世界でのレベルだ。
お前ほどの殺気を出せるなら、間違いなく裏の人間・・または裏の人間に造られた人間。
俺が敵うはずがない。
さっきの俺の攻撃は様子見を含めてお前が手加減していたからだ。
実際、俺のA・Tの動きを読んでからはまともに攻める事は出来て無かった。
それなのに、思いついた程度の策でなぜ攻撃が通じる?
簡単な答えだ。お前の望み通りな攻撃を俺がしたからだ。お前が攻撃を通したからだ。
殺す技術に精通しているお前は、逆に殺さない技術にも精通している。
そして殺される技術にもな。
殺されない技術を使って、俺に殺されようと考えていただろ」
「・・・・・・・・」
長い沈黙の後、宗像は上を見上げて、諦めたように呟いた。
「まいったな・・・・そこまで完全に見抜かれるなんて」
「お前の笑顔を見れば、そう難しくない」
「・・・・気が抜けてしまったんだ。これでようやく死ねる。
ようやく誰も殺さなくて済むんだって思ったら笑う事が出来たんだ」
宗像は自分の胸の内を明かしていった。
「僕は君の言った通り、この実験施設で作り出された存在だ。
この体は血管一本に至るまで調べられていない場所は無い。
そして精神には戦闘に特化するため、殺意が埋め込まれた」
「殺意?」
「何をしてもしなくても、何を考えても考えていなくても、全て殺意へとつながる。
そんな僕だけど・・・君の言った通り人を殺した事が無い。
だけど僕は、それをずっと我慢していた。対象を処分する実験であっても我慢した。
だって・・・・人間は殺したら死んじゃうじゃないか」
「ま、そうだな」
支離滅裂な事を言っているが、わからないでもない。
埋め込まれた殺意という衝動よりも、自分が持っている人間を愛する気持ちの方が強かった。
ただそれだけなのだ、宗像という人間は。
「宗像、お前はまだ殺人衝動があるか?」
「あるよ。君の問を聞き答えただけでも殺したくなっている」
「それじゃ、俺と初めて会った時と比べたら殺意はどうだ?」
「・・・・少なくなっている気がする」
「そうか、それなら良かった。
お前の殺人衝動は、人間のストレスと同じ部分がある。
簡単に言っちまえば、俺との戦闘でいい運動になって、殺意が少し減ったんだと思うぞ」
「・・・・」
「よかったじゃないか。殺意発散が出来て」
「でも、僕の持つ殺意は本物で・・・・いつまで抑えられるか・・・・」
「その時は俺を一番最初に殺しにきたらいい」
「え?」
「
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