ニシオリ信乃過去編
Trick-11_西折(にしおり)は弐栞(にしおり)
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おくよ」
「・・・お願いします」
哀川潤の知り合いということで、若干警戒レベルを上げたけど
話し合ってみると昔と同じく良くわからないけど良い人って感じのままだ。
それで警戒を弱めておこう。
数分後に着替えが終わり、タイミング良く師匠が部屋に戻ってきた。
「準備は終わった?」
「はい。荷物はほとんどないですし」
唯一の荷物と言えるA・Tはケースに戻して準備もできている。
「それじゃ、行こうか」
「行くってどこにですか」
師匠の口ぶりからすると俺をどこかに連れていくつもりのようだ。
ASEからの連絡では、任務は完了しているとのことで現地解散。
俺の予定では船の予約を取って、本拠地として住んでいるアメリカに移動するつもりだった。
「面白いところ」
「?」
師匠ははぐらかして進んでいく。まぁ、とりあえずは付き合ってみようかな。
「ぴあのばー、くらっしゅ・くらしっく?」
「いや、英語っぽく発音してとは言わないけれど、片仮名っぽく発音しようよ」
「Piano Bar,Crash Classic」
「流暢だね」
「拠点はアメリカですから。それで、なぜここに?」
「待ち合わせをしててね、赤色と」
「赤って!?」
「哀川潤さんだよ」
「・・・帰っていいですか?」
「だめ」
「はぁー・・・」
「諦めたら、試合終了だよ」
「今のタイミング、諦めは肝心って言うんじゃないの」
「戯言だよ」
「戯言ですね」
「さて、中に入るとしようか」
「・・・了解です」
いや、本当に諦めは肝心だよね。
バーの中は、クラッシュのイメージとはかけ離れていた
雰囲気の良いピアノバーだ。
ピアノを弾く燕尾服の人が1人、バーカウンターの座っている人が1人。
座っているのは赤色、哀川潤だ。
「よ、いーちゃん!」
「お久しぶりです、哀川さん」
「上の名前で呼ぶな下の名前で呼べ。あたしを苗字で呼ぶのは敵だけだ」
「そうでしたね、潤さん」
「は、分かっていて言ってるくせに。
それとしのっぷ、数日ぶりだな」
「しのっぷ言うな」
「それはすまんね、弐栞」
「わざと言っているのか、“哀川”さん。
俺の名前は西折信乃だ!」
「そう怒るなよ、クールに行こうぜ。
曲識、良い曲を頼む」
「悪くない・・いや、良い曲を、だな。了解した」
哀川潤のリクエストにピアノの曲が変わった。
俺の怒りを落ち着かせるかのような、ゆったりした曲。
「・・・・」
「少しは落ち着いたかい、信乃くん?」
「ええ、師匠。
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