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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
ニシオリ信乃過去編
Trick-11_西折(にしおり)は弐栞(にしおり)
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いる事を小耳にはさみ、もしやと思って哀川潤と戦わせて確認したらしい。

弐栞の特徴として『前世の記録』と『習得能力の早さ』、『習得能力の限界』がある。

『前世の記録』とは、前世の記憶とは若干異なり、前世を別の人間として
魂に刻まれた記録をいつでも見て読みだす事が出来るとのこと。

『習得能力の早さ』『習得能力の限界』とは、その名前の通り、習得能力の
早さと同時に、目で見て覚えた能力は、その8〜9割の実力しか習得できない、
呪いといっても過言ではない限界値なのだ。

西折と名乗る『マルチエージェント』は、弐栞の特徴に該当していたのだ

そして何より、≪アオの機関≫である玖渚機関の一族の特徴である≪アオ≫を持っている。
一族の直系血筋を持つ者は必ず、体の一部に≪アオ≫を持っている。
そして弐栞は別名≪碧の弐栞≫と呼ばれている。

空の碧色と同じ色を持っている特徴も、西折と一致した。

そして調べれば、日本国籍の西折と同じ年代であり、作られたイギリス国籍など
様々な情報を考え見て、西折信乃は弐栞であると解ったのだ。





「つまり、俺の正体は≪弐栞≫である。だから機関に入れってことか?」

『その通りだ』

「お断りします」

『なぜだ? 偉大なる私からの話を蹴るつもりか?』

「はい、蹴ります。
 いきなりボコボコにして、いきなりお前は機関の人間だと言われて、
 はいそうですか、って言う人の方が少ないよ。

 それになに? 俺が技術を完全習得できないのは血の呪いだってか?」

「正確に言えば、呪いに近い才能だと思うぜ」

「俺はやりたい事を探している。その一環としてASEで、未熟者だけど
 『マルチエージェント』と呼ばれるような幅広い仕事をこなしてきた。

 でも、なんだ? 完全習得できない? どんなに頑張ってもできない!?
 呪い!? ふざけるな!! 俺がどんな気持ちで色々とやってきたと思ってんだよ!
 それを知らないで機関だか組織だかに入れってか!?」

「おいおい、信乃。落ち着けっての」

「出て行け! もうあんた達の話なんか聞きたくない!!」

「ち、しゃーねーな。つーちゃん、ここは引いとくのが吉だぜ」

『人類最強のお前が言うなら間違いないな。致し方ない。続きはまた今度だ』

「じゃーな、しのっぷ。縁があったらまた会おう!」

「二度と来るな!」

波戸さんと同じように後ろ手を振り、哀川潤は出て行った。



この数日間は俺はまともに睡眠を取る事が出来なかった。

玖渚機関の話が頭をグルグルと駆け巡る。でも答えには辿りつけない。

どうしようかと悩み続けている俺。

そんな所に、会うとは思わなかった人が訪ね
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