暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
ニシオリ信乃過去編
Trick-09_ニシオリ、君を試したいと思う
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「お前がニシオリなら、これしきの困難、乗り越えてみせろ」

「さ、さっきから何を言っているんですか?」

俺の問いには答えてもらえず、さらに言葉を重ねられた。

水さんの手が挙がり、そして叩きつけるようにキーボードを押す。
同時に部屋の電源が切れて真っ暗になった。

「停電!?」

外からの攻撃? 違う。水さんの発言とのタイミングが良過ぎる。
この停電の原因は水さんによるものだ!

「こちら西折! 波戸さん聞こえますか!?」

『・・さ・・・なんや・・・・』

妨害電波(ジャミング)が効いているのか、先程まで出来た無線も使えなくなっている。

「・・・・水さん、これは貴方の仕業ですか?」

元々、外部との接触は出入口の1箇所にしかない部屋だ。
停電で真っ暗になり、友さんがいるであろう方向を見て話しかけた。

「・・・だとしたら?」

「そうですね。ASEとしては外部からの敵から水さんを守るように言われてます。
 ですが水さんが敵と繋がっている場合は内部からの犯行、ということになります。

 契約上に問題が発生してしまいますね」

とは言ったものの、契約なんて今はどうでもいい。
自分を冷静にさせるために軽口を叩いただけだ。

ASEの仕事をしていると、裏切られたり罠に嵌められたりするのなんて
日常茶飯事だ。依頼主が急に要求を変えて銃口を突き付けられたことなんて
両手の指では足りない。そんな状態でも依頼を達成しなければならない。

ASE。実はブラック企業だったり・・・報酬が超良いからプラスマイナスでゼロかな?

どうでもいい事を考えて頭をリフレッシュする。

現在状況の確認
・護衛対象である『水』さんが外部の敵と繋がっている可能性がある
・無線が使用不可。仲間との連絡が取れない
・護衛対象が裏切りの可能性があるが、護衛対象には変わらないので任務続行。

暗闇の中で俺は装備を確認する。
眼を閉じて装備の確認を手の感覚だけで行い、終わった後に眼を開く。

停電の暗さに目が慣れて、ぼんやりとだが周りを確認する事が出来る。

水さんは席から動かずにいる。まだ無事のようだ。

部屋の出入口が1つしかないと言う事は、その出入口を制圧されれば
俺達は袋のねずみにされてしまう。

なら、まずは部屋から出る事を考えよう。

部屋から出て、隣の部屋の安全が確認でき次第移動をする。
もちろん、水さんも一緒。彼女に拒否権は無い。

扉に耳を付ける。音は無い。隣の部屋で何か問題は起こっていないようだ。
ドアノブを音をたてないようにゆっくりと回して扉を開く。

10cmほど開き、隣の部屋を覗き見る。
・・・隣も停電して暗いが、夜目は利く方だ。色以外であ
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