ニシオリ信乃過去編
Trick-09_ニシオリ、君を試したいと思う
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3日間ですがよろしくお願いします」
「・・・(コクリ)」
水さんは頷き、最初にいた部屋に向かった。
役割的には、護衛と言っても波戸さんと他メンバーがメインで行うのを事前の打ち合わせで決まっていた。
俺の仕事は水さんの面倒を見る事。言い方を変えれば勝手にどこかに行かないように見張る事。
歳が近くて選ばれたと思う。
「私も、部屋に入ってもいいですかね?」
「・・・(コクリ)」
口下手と言うよりも、人との関係を持ちたくない人嫌いな子かもしれない。
俺の入室を許可したのも、自分の状況が分かっていて仕方なくと言う感じだ。
「失礼します・・・・これは!?」
部屋に入ると、証明がついておらず薄暗く光るディスプレイが目に入った。
だが1台ではない。壁一面に、ざっと見ただけで10×10の100台があるようだ。
そして部屋の中央には1席だけ。水さんが座る席だけがあり、キーボードらしい
操作盤が4つほど置かれていた。
つまりは彼女一人だけがこの大量のマシンを操作しているのだ。
「水さんがこれの操作をしているんですか?」
「・・・(コクリ)」
「・・邪魔にならないように、部屋の隅に居たいですが、よろしいでしょうか?」
「・・・(コクリ)」
一応、部屋主の許可を得られる事が出来た。
これが不思議系電脳少女、『位置外 水』との、政治力の世界である≪玖渚機関≫のファーストコンタクトだった。
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それから2日が経過した。
ASEエージェントと交代を挟みながら護衛を続けたが、何の問題もなく過ぎていった。
順調に何事もなく。
だからこそASEメンバーの全員は3日目はより気を引き締めた。
相手が油断を狙っているとすれば、狙うのは3日目。つまりは今日。
世界のトップエージェントばかりを集めた組織ASEだが、
所詮は人間だから隙があるものと俺は思う。
だからこそ集中出来る。隙があるから、隙を見せないように一生懸命になる。
人間は不完全な存在だ。だからこそ出来る事やれる事がある。それが凄いと思う。
そんな持論は今はどうでもいいや。
とにかく残り1日を集中して護衛を行う事にした。
「ニシオリ、君を試したいと思う」
「え?」
唐突に水さんが言った。
部屋には俺と水さんだけ。今の発言は水さんからであり、俺に向けての言葉だった。
でも信じられない程ハッキリと覇気を持った話し方をしていた。
それに西折の発音も少しおかしい。
「水さん、ですよね? 急に話し方が変わっていますけど、どうかしましたが?
試すって何を試すんですか?」
分からない事だらけだ。
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