ニシオリ信乃過去編
Trick-09_ニシオリ、君を試したいと思う
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のように無機質に見ていた。
「草薙さん、信乃がどないかしましたか?」
「いえ、波戸さん、なんでもありませんわ。
では早速、護衛してもらう私の娘を紹介します。
水、来なさい」
「ふわぁいぃ」
「なんだか眠そうな感じの声やな・・・」
「ですね」
隣の部屋にいる娘さんの声を聞いて、波戸さんと一緒に苦笑した。
声に緊張感がないのは、その子には狙われている事を話してないのかもしれない。
「どうしたのぉ、母様ぁ」
入ってきたのは、まだ10歳にもいっていない幼い少女だ。俺より3歳くらい下か。
少女は青色をしていた。
髪と眼が綺麗な青色をしていたのだ。
ふと数秒前に見た青色を思い出す。そうだ、草薙さんの片目と同じ青色だ。
とても特徴的な青。俺の眼の青が、碧空の『碧』だとするならば、
友さんと水さんの色は蒼海の『蒼』だ。
(ズキンッ!)
ふと、眼が急に熱くなった。
「っ!?」
「ど、どないしたんや、信乃!?」
「いえ・・・ちょっと眼が痛くなっただけです・・・」
何の前触れもなく眼が熱くなった。驚いて眼を抑えてしゃがみ込む。
理由は全く不明だが、なぜだか勘が訴えている。眼は何かに反応しているのだと。
熱さは数秒して、ようやく治まった。
「すみません、もう大丈夫です。ご迷惑をおかけしました」
「本当に大丈夫か?」
「はい」
よかった。両目に黒のカラーコンタクトを入れておいて。
今の異常事態だったら、眼が碧になっていたかもしれない。
自分の眼の異常性は自分が良く知っている。だからバレないように
色々と対策と訓練をしているのだ。
「私の事よりも、依頼の話をしましょう。
草薙さん、そちらのお子さんが護衛対象ですか?」
「ええ。この子、口下手で何を言っているのか分からない事もあるけど、
とりあえず自己紹介しなさい」
そう言われ、本当に口下手なようで、声も小さくて言葉の終わりを伸ばす癖があるのか
最初から草薙 水と言う名前を知っていないと理解できない話し方をする。
苗字なんてクナギサって言っているように聞こえたよ。
その後に俺と波戸さん、ASEの手伝いの人たちで自己紹介をした。
自己紹介が終わった後、友さんの隣にいた黒服サングラスが話しかけた。
「友様、そろそろ・・・」
「分かったわ。それでは3日間、娘を宜しくお願いするわ」
「「了解しました」」
ASEは軍隊ではないから敬礼をしないまでも、綺麗な直立で答えた。
友さんが出て行ったあと、残されたのは俺と波戸さんを含むASEメンバー10名と
娘の水さんだけだ。
「水さん、私達の事は聞いていますよね?
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