ニシオリ信乃過去編
Trick-09_ニシオリ、君を試したいと思う
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とか、趣味に没頭するとか、だな。
バカンスを楽しんでいる人たちの考えは、≪バカンスの為に仕事をしている≫ってことだ」
なんとなくだが、黒妻さんが言いたい事が分かった気がする。
「つまり、生きる為に仕事をするのではなく、趣味の為に仕事をしろってことですか?」
「簡単に言えば、そんなところだ。
より正確に言えば、生きる為に仕事をするってのも
真面目すぎて馬鹿らしいって言いたいんだよ」
「なるほど」
「とりあえず、趣味の為に仕事をしてみたらどうだ?
面白そうじゃないかA・Tの開発」
「黒妻さんもA・Tに興味持ったんですか?」
「ああ。空を跳べるって自由でいいじゃないか。
俺も好きだぜ、空。学園都市にいた時も、暇がありゃ空を見ていた。
アジトでもお気に入りの場所は屋上だったしな、空を見るために、良い風が吹いていてな」
「そうですか・・・」
かなり嬉しかった。俺のA・T製作についてはほとんどの人には話していない。
趣味でモーター付ローラースケートを製作したいなんて、否定されるのが恐かった。
でも黒妻さんは肯定してくれたどころか、自分も使ってみたいと言ってくれた。
・・・完成したら、貸してあげようかな?
そんなことを考えながら、俺は図面でしか作っていないA・Tの本格製作を始める事にした。
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ASEからの新たな仕事が入り、俺は日本を離れる事になった。
黒妻さんは命に別状はないが、色々とリハビリで時間がかかるそうだ。
次の仕事先へ向かう船(まだ飛行機には乗れない)に乗り込み、仕事に関する
報告者を読み始めた。
依頼人は草薙 友と言う大企業のお嬢様。
依頼内容は自分の娘が命を狙われているので守ってほしいとのこと。
依頼人が属する大企業の護衛部隊はあるが、諸事情により3日間ほど
娘さんから離れる事になった。
その3日間を、波戸さんと俺の2人で護衛すると言う。
現地入りしてASE支局の人と待ち合わせ、打ち合わせをした後に
依頼人に会いに行った。
「初めまして。ASEから派遣されたジェームス波戸と言います。
今日は宜しくお願いします」
「同じく、ASEから派遣されました西折信乃です。
護衛するお子さんと年齢が近いという事で、波戸さんの手伝い要員です。
今日は宜しくお願いします」
「よろしくお願いするわ、波戸さん、ニシオリ君」
「!?」
なぜだろうか、草薙さんに呼ばれると背筋が冷たくなった。
あの眼、片方の眉と瞳だけが青色をしている。それ以外は典型的な日本人の黒眼黒髪。
俺を見つめる眼が、まるで品定めをするか
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