ニシオリ信乃過去編
Trick-09_ニシオリ、君を試したいと思う
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男の人を病院に連れて行って数日後、俺がお見舞いに来た時間に偶然、彼は目を覚ました。
「ここは、どこだ?」
「○×県の私立病院。学園都市の隣の県ですよ」
それから日をおいて体調が良くなった頃、その人と色々話をした。
彼の名前は“黒妻 綿流”(くろづま わたる)
学園都市のスキルアウトらしい。
スキルアウト同士の争いで爆弾の爆発をくらい、今の怪我を負ったとの事。
「学園都市にいたことがありますけど、スキルアウトとは関わったことがないです。
未成年の不良というイメージを持ってましたけど、意外とバイオレンスですね」
「まあな。実際、レベル0の人間が集まってバカやっていただけだから
未成年の不良ってのも対して間違ってはいない。
ただ学園都市だから、スキルアストでの抗争が派手になっちまうんだ」
「本当に、良く生きていられましたね」
「昔から頑丈なのが取り柄だからさ」
それから黒妻さんから色々と話を聞いた。
爆発事件の詳細や、スキルアウトでの出来事、妹分の美偉との(甘酸っぱい)関係、
自分がいなくなった後のチーム≪ビックスパイダー≫への心配などなど。
黒妻さんとは意気投合し、俺の事を少しだけ話した。
「はぁ? やりたい事探しの為にASEに入った?
お前は真面目か?」
「・・・・上司に肩の力を抜けと何度か言われた事がありますね」
「無駄に真面目なんだな」
「否定できないですね」
と苦笑を浮かべた。
「何か趣味はないのか?」
「趣味、と言えるか分からないですけど、A・Tってものを作っています」
「A・T?」
A・Tについて簡単に説明した。
昔の遊び道具(笑)であること。
設計図はあるが、作成する道具ほか材料など足りないものが多々あること。
A・Tで空を跳びたい事など話した。
「お前、本当にやりたい事がないって思っているのか?
A・Tについて話しているお前の顔、すげー輝いていたぞ?」
「小さいころからの夢ですからね」
「それなら、A・Tを作るのをやりたい事にすれば良いじゃねーかよ」
「いえ、それは趣味ですから。あくまで趣味で、やりたい事とは違いますよ」
「その考えを少し柔らかくしろ。典型的な日本人の考え方だな」
「日本人の考え方?」
「生きる為に仕事をするのは間違っているとは言えない。
でも『生きる』ってのはなんだ? 衣食住を充実させるためか?
間違っていないと思うが、国外じゃ結構違う。
その例としてバカンスってのがある。
お前もヨーロッパ出身だから知っているだろ、バカンス?」
「ええ、まあ」
「バカンスは一言で言えば長期休暇の事だ。旅行に行く
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