ニシオリ信乃過去編
Trick-08_ASEに入らないか?
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します。
繰り返しお伝えします。ただいま ――』
館内放送が流れる。爆弾と言うとパニックになる可能性がある。
それを防ぐために嘘を放送しているようだ。
この階段はあまり使われていないと思う。運よく周りに気にせずに作業を進められる。
パチ、パチと配線を一つずつ切っていく。
残り3本になった時、俺の手は止まった。止めざる負えなかった。
「は、リチャードさんには自信があるように言ったけど、やっぱり上手くいかないな」
残りの配線、この3本が厄介だった。今までの配線はマニュアル通りだったが、
ここに来てダミーの配線が混ぜられている。
構造を考えると3本中に2本がダミー。切れば爆発する。
残念ながらダミーの対処や見抜き方はまだ習っていない。
「すみません、リチャードさん。今の状況ですけど・・・――――」
――――――
『ふむ、なるほど。ダミーか』
「ええ、私の実力では手を付けられません。最悪の場合、一か八か・・」
『馬鹿を言うな! 命を大切にすると言う事を考えろと講習で教えただろ!!』
「ですが・・」
『それにこちらでも手を打った。偶然、教え子がうちに来ていてな。
お前の所に向かわせた。ほら、バイクの音が聞こえてきただろ?』
リチャードさんの言うとおり、バイクのエンジン音が聞こえてきた。
だんだんと音が大きくなってくる。
ついに音だけでなく、バイクも見えてきた。
青にカラーリングされたトライアルバイク。
2人乗りで階段を駆け上り、そして俺の側で止まった。
「リチャード隊長が言っていた≪信乃≫ってのはお前でええんか!?」
後ろの席から降り、ヘルメットを外しながら聞かれた。え? 日本語、しかも関西弁?
「あ、はい! あなたたちは?」
「お前の先輩になるかの」
と答えながら目線は爆弾に注がれていた。
しまった・・解体している途中の爆弾を引き継ぐことは難しい。
切った大量の配線があり、元々はどのように繋がっていたか考えるのに
余計に時間が掛かってしまう。
少しでも時間省略するため、解体前の状況を教えないと。
「先輩さん・・・配線ですけど」
「よし、これや」
パチン
え? まだ10秒も見ていないのに、わかったの?
「これで大丈夫や。悟、後は犯人を捕まえるだけええんやったよな?」
「はい、波戸さん」
本当に爆弾のタイマーが止まっている。すごい。すごすぎる。
「あの、波戸さん・・・で、お名前は合ってますよね?。犯人ってどういうことですか?」
「おう少年、この爆弾って単純な作りやと思わなかったか? ダミー抜きで」
「そう、ですね。同じタイマー構造でも、もっと複雑な作
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