ニシオリ信乃過去編
Trick-08_ASEに入らないか?
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い運動着を買おうかと思って
百貨店に来ている。
えーと動きやすい服装だからスポーツ服が売っているところは2階か。
とまぁ、こんな風に買い物をしてぶらぶらしていて、3階への階段を下りているときに
嫌な感じがした。
本当に、ただの勘だった。根拠なんて一切ない。だけど、本当に嫌な予感がした。
階段の隅に置いてある1つの箱。周りには何もない。この箱だけが置かれている。
箱は段ボールでできた、40cm四方の小さな箱。蓋は閉じられておらず若干空いている。
その空いている蓋の隙間から覗くと・・・・見覚えのある配線とデジタル時計。
簡潔に言う。タイマー式爆弾だった。
普通であれば動揺する場面かもしれないが、俺の場合は逆だ。
戦場にいた経験で、怒ったときや驚いた時は勝手に冷静になる。
今もデジタル時計を見た瞬間に、冷たくなるのを感じた。
慌てず騒がず、携帯電話の操作をした。
『もしもし、どうした信乃? 折角の休みに訓練でも付けてほしいのか?』
「リチャードさん、申し訳ないですがふざけている暇は無いです。
単刀直入に言いますと、爆弾を見つけました」
『どこだ?』
「5番通りに隣接している百貨店です。偶然見つけました」
『分かった、SWAT(うち)から爆弾の方は連絡を入れる。
おい! 緊急出動の準備しろ!
あと5番通りの百貨店の警備室に連絡だ!』
さすがリチャードさん、話が早い。
俺がリチャードさんに電話した理由を汲み取ってくれた。
子供である俺が警備員に連絡したところで、悪戯として片付けられる可能性が高い。
それにリチャードさんからある程度の信頼を得ている。
だから俺が悪戯ではない事として対応してくれた。
『爆弾のタイプは?』
「丁度2日前に講習で受けたものと同じです。
火薬の量は多いですが、それほど難しくはないです。
ただ、制限時間が・・・・」
『あとどれくらい残っている?』
「10分を切っています。ちなみに箱は動かしたら爆発の可能性があります」
『!? それじゃあ、うちは間に合いそうにないな・・・・
信乃・・・お前に頼むのは酷と思うが「大丈夫です」』
「幸いにも講習を受けたのは2日前で記憶もまだ新しい。
それに俺以外、誰がやるんですか?」
『・・・・頼む。責任は俺が取る』
「お願いします」
携帯電話は繋いだまま、爆弾の箱へと近づく。
ピンポンパンポン
『お客様へお知らせいたします。ただいま、当建物の消火設備に不備が見つかりました。
緊急に対応する必要があります。申し訳ありませんが、緊急時に備えて
当建物から避難をお願い致します。警備員の指示に従い早急にお願いいた
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