ニシオリ信乃過去編
Trick07_“俺”の中の歪みを治してくれるって言うんですか?
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ても普通の車じゃない。装甲車だ。
シルエットは普通の車に近かったし、真夜中の住宅街という事できれいにみることは出来なかった。でも車の表面にある分厚い鉄板は普通の車じゃない事はすぐに分かった。戦場で見た事のなる戦車と同じだ。戦車と同じ材料で作られた車って感じだ。
その車に乗り込んでリチャードさんとその部下数名をを含めた俺達3人は、リチャードさんの職場である警察署へと行った。
「到着だ。ここまでくればさすがに安心だろう」
未だに周囲を警戒しながらリチャードさんと部下の人たちは降りた。
そしてテッサちゃん、ビバリーさんが建物の奥へ行くのを見送り、リチャードさんに話しかけた。
「ありがとうございます、リチャードさん。
あそこで間に合っていなければ私達3人はダメでしたよ」
「いや、こちらこそ礼をいわせてくれ、信乃くん。
君が敵に抵抗していなければ、我々は間に合わなかった。
「お礼はいりません。自分では失敗だったと思っていますから」
「・・・それは全員を撃退出来なかったからかね?」
「違います。テッサちゃんとビバリーさんを守れなかったからです」
「先程も言ったが、君がいなければ我々は間に合わなかった。それを考えると君の功績は」
「ええ。私の足掻きがなければ2人は無事ではありませんでした。
それはリチャードさんが言ったように、あなた達が間に合ったから良かったと
言える結果です。結果論です。
もし来なかったら、俺に出来たのは犯人全員に怪我をさせて2人を逃がす可能性を
増やすだけ。代償は俺の命。それだとテッサちゃんもビバリーさんも
精神的にダメージを与えてしまう。
最善の結果じゃない」
「・・・そうか。そう思っているなら何も言う事はない。
本当なら『なぜ一人で無茶をした』と怒鳴りたかったが、君がそこまで反省して
落ち込んでいるなら何も攻めないよ。
しかし君にここまでの戦闘能力があったのは驚きだ。
襲撃してきた者たちは元内の部隊にいた人間だ。それを倒せるとはな」
「倒したと言っても2人とも奇襲ですよ。
それに・・・・深くは言えませんが戦場経験者です。銃も、殺しも・・・」
「わかった、それ以上は何も言わなくていい。
今の君は、私の娘の命の恩人であり、ベビーシッターで優秀な西折信乃くんだ。
それだけで十分だよ」
「・・・・・・ありがとうございます」
「・・・・・・」
2人が沈黙のまま建物の奥へと足を運ぶ。
「・・・・信乃くん」
「なんでしょうか?」
「深く聞くつもりは無い。君がどのような経験を積んだのかは分からないが
常人では考えられない戦闘経験を積んでいるだろう。
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