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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
ニシオリ信乃過去編
Trick-06_≪錬金≫と≪解析≫
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「アークビショップ、少年について調査が完了しました」

「ご苦労様。で、どうだったの? あの子は、見た限りでは中東の人種ではないわ。
 神裂、あなたと同じ東洋人の容姿をしている」

「ええ、その通りです。私と同じ東洋人、それどころか同じ日本人でした。

 持っていた少量の荷物の中に学園都市の学生証がありました」

「これは驚いたわね。助けたのがよりにもよって“あの”学園都市の子。
 戦場にいたと言う事は、まさか超能力の実験だったということかしら・・・」

「いいえ、それは違うようです。

 経歴を調べてみましたが能力はレベル0。無能力者です。
 学問で優秀だったようですが、無能力者に対する強化訓練など怪しいところもありません。
 実験に使ったということはありえないでしょう。

 なにより、彼は事故で死んだと記録されています」

「事故? 学園都市とあの中東近くが関わった事故というと、
 乗客乗組員全員が死亡したという半年前の飛行機落下事故かしら?」

「はい。彼はその飛行機に乗っていたようです。
 学園都市の記録にもそう残っており、彼の死亡報告書もありました。

 ただ、遺体が見つからなかった事、現場そのものが悲惨な状態であり詳細な調査が
 出来ないまま死亡認定となった事も書かれていました」

「なるほどね。実は少年が事故で死んでおらず、戦場で戦士として生きていたというわけね。

 そういえば、あの子は何故学園都市の学生証を持っていたのかしら?」

「正確に言えば、持ち歩いていたのは定期入れのようなものです。
 おそらくはその中に入っていた家族写真を持ち歩くためでしょう。
 学生証はついでだと思います」

そう言って神裂は2枚の写真を渡した。

1枚は少年が小学校低学年に取られたであろう数年前のもの。
写っているのは3人。父親に見える青年、姉に見える中学生ほどの藍色の髪の少女、
そして数年分は幼い、助け出された少年。

2枚目はこの1年以内に取られたもの。
少年と、1枚目とは別の少女と共に2人で仲良く映されていた。

2枚とも写真に写る全員が無邪気に笑っている。
少年が本当に一般家庭の、普通の男の子“だった”ことを証明するものだった。

「悲しいわね。本当に普通の子でも、人殺しに変わってしまう戦場とは嫌ね」

「はい。この写真が、唯一の少年の支えとなっていたのだと思います。
 半年も戦場にいたにもかかわらず、写真の状態はご覧の通り綺麗なままです。
 よほど大事に扱っていたと思います」

「・・・・」

アークビショップ。彼女の生きる世界では争いは珍しい事ではない。

しかし、やはり一般の人間が争いに巻き込まれる事に何も感じ
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