ニシオリ信乃過去編
Trick-06_≪錬金≫と≪解析≫
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な金属を含めて
加工、合成、形状変化が出来るようになった。
ただしそれ以降の1ヵ月に成長は見られない。
これは≪解析≫に関しても同じだった。
まぁ、心のどこかで諦めていたから納得しよう、と自分に嘘をついて誤魔化した。
というわけで、ローラ様の元で私は一流の執事、ド三流の魔術師になりました。
「ふーん。もう半年になるのね」
「そうですね」
「紅茶も淹れられるようになったし、まあまあね」
「ありがとうございます、ローラ様」
そして現在は午後のティータイム。俺が淹れたお茶にローラ様から合格を貰えた。
二口、三口と飲み進めたが、ローラ様の手が止まった。
「如何なされましたか? なにか不手際がありましたでしょうか?」
「いえ、あなたの対応に不満があるわけじゃないの。
たった半年で超一流のセバスチャンの技術を完全ではないにしても習得出来たようね。
そして魔術に関しては三流にも満たないレベル。
“予想通り”ね」
「え?」
今、ローラ様は予想通りと言った? ド三流になるのが予想どおりって
俺はどれだけ期待されていなかったのかな?
ティーカップをテーブルへと置き、真剣なまなざしが俺へと向いた。
「急に真面目な話になるけどいいかしら?」
その時の顔はアークビショップとしての顔だ。
普段の甘いものが好きなお嬢様ではなく、宗教のトップとしての顔だ。
「はい」
ならば俺も相応の覚悟で聞く必要がある。
「この半年であなたは執事として、一人でいきる最低限の技術を身につけた。
そして魔術師として、残念ながらこれ以上の政情が見込めない程に修行をした。
これからどうしたいの?」
「これから、ですか? それはどういった意味か私には諮りかねます」
「そのままの意味よ。
このまま私のもとで一生、執事として生きていくのか。
はたまた、今度こそ学園都市に戻って家族と再会するのか。
それとも第3の道を選ぶのか」
「・・・・・」
「あなたが好きに選びなさい。
私への恩ならもう充分に返せたと思うわよ」
「いえ、それはあり得ません。
お世話をさせて頂いてもほんの少ししか返せていません。
それどころかセバスチャン様、アウレオルス様と素晴らしい先生に
出会う機会を頂きました。
むしろ恩が多くなったと思っております。
ですが、もし私に不手際があり手元に置きたくないとおっしゃるのであれば
いつでも出ていきます。
その上で恩返しができる方法を愚鈍ながら考えていきたいと思います」
俺の返事に、「はぁ」と大きく呆れたため息をローラ様から出た。
「本当に真面目ね」
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