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とある碧空の暴風族(ストームライダー)
ニシオリ信乃過去編
Trick-06_≪錬金≫と≪解析≫
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ないわけではなかった。

「神裂、あの少年を保護するわ。魔術や学園都市とは関係なく、ただの人として。
 少年が目を覚ましたら知らせなさい。私から説明するわ」

「わかりました。では、西折信乃が目覚めましたらご報告にあがります」

「・・・西折? あの少年のファミリーネームはニシオリというの?」

「はい。方角の『西』に、棒を折るの『折』の文字を使って西折です。それがなにか?」

ふと、名前に違和感を感じた。それと同時に持っている1枚目の写真に目がいった。

西折信乃の父親、彼の腕には刺青を入れているのか綺麗な碧色の痣のようなものが写っていた。

彼女の記憶では、その色を持っている者は、あの一族しかしない。

「ただの一般人として助けるつもりだったけど、これは面白い事になりそうね」

「は?」

「独り言よ、気にしないで」

「は、はい。私はこれにて」

神裂が部屋から出て行った。


―――――――――――――――――――――――――


「っ!   ・・・・・ここは・・・・」

知らない、天井だ。

綺麗な清楚な部屋。こんな建物を見るのは半年ぶりかな・・・ここはどこだ?

「おや? ようやく目を覚ましましたか」

声のした方を見ると、本を読んでいる女性がいた。

「そのまま眠らずに待っていてください。あなたが目を覚ましたら話がある人がいるので」

「あ、ああ」

そういって女性は部屋から出て行った。

状況が呑み込めない。

確か、王都に攻め込んで、逃げた参謀を追いかけて、それで・・・。

! 思い出した! 

あの女の人は無事か!?

「ようやく目覚めたのね。1週間も眠っていたからそのまま死んでしまうと思ったわ」

「!? あなたはあの時の!」

心配していた金髪の女の人が、丁度良いタイミングで部屋に入ってきた。

歩く姿を見ただけだが、そこには怪我を負った様子はない。

「よかった。無事だったんだ・・・」

「心配するのは私の方よ。目覚めてくれなかったら、こっちの目覚めが悪くなるところだったわ。

 どう? 怪我の処置は充分にしたけど、どこかに異変は無い?」

聞かれて自分の体を確認する。

「っ!」

途端に激痛が走る。
起き上がれないけれど、よく見れば全身が包帯だらけだ。

だが、手足の指は少し動かす事が出来た。
神経に問題はないようだ。

「確認しておいて何だけど、無理に動かせる状態じゃないわよ」

「だ、大丈夫、・・指が動くから」

「それならいいわ。色々あるとはいえ、私はあなたに命を助けられた。
 だから逆に命を助けたの。ただそれだけよ」

「・・・・・ありがとうございます
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