ニシオリ信乃過去編
Trick-05_神裂、移動術式を展開しなさい
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肩から離し、懐の銃を抜き、女性に向ける。
それを程の時間を与えてしまった。
そんな、なぜ俺に向けない? あの人はお前に関係ないだろ? この場に関係ないだろ?
これ以上、弱い人が死ぬを目の前でミタクナイ
気が付けば、俺は奴の銃口と女性の間に移動していた。
直後、内蔵がかき乱されるような熱さ。
両手足にも切られたり、殴られた時とは違う痛みが走る。
奴が使ったのは小型のハンドガン。
体を貫通して後ろの女性には当る威力は無いはずだ。
初めて体に弾丸が当たったが、比較的精神は穏やかだった。
いや、穏やかなのは弾丸や怪我は関係ないかもしれない。
後ろの女性を守れた。その達成感からだと思う。
でも、このままでは終わらない。俺が倒れた後に何をされるか分からない。
そう考えた時には俺は引き金を、そして男の両手足から大量の血を噴き出した。
意識を僅かに残しているが、目を開ける力も残っておらずに
俺はそのまま倒れた。
「アークビショップ! 今の音は!?」
「遅いのよ、神裂。護衛が何をやっていたのかしら?」
「申し訳ありません。今は王都で反乱軍と王族軍の戦いがありますから
どうしても外の警戒を考えてしまいました。
お怪我は?」
「大丈夫よ」
「お怪我が無くて何よりです。
しかし私の言った通り危険ではありませんか!!
いくら可能性があったとはいえ、神器を探しに戦場にまでアークビショップが
足を運ぶ必要はなかったではありませんか!」
「でも、神器が本物かどうかが分かるのは私だけ。
私が直接行くしか確かめる方法が無いわ。
この会話、出発前にもした記憶があるわよ?」
「・・・そうでしたね。申し訳ありません。
しかし、この2人は?」
「おそらくはあなたが言っていた王族軍と反乱軍でしょうね。
男の服には王族軍の紋章があるわ。それを考えると少年は反乱軍でしょうね」
「2人ともかなりの怪我をしていますが・・・同志打ちのようですね」
「・・・違うわ。少年が追い詰めていたけど、私が足音を聞いて物陰から出てきたのよ。
それで少年が隙を見せて、男がなぜか私を狙って。
私は術で身を守ることも出来たけど、この少年が私を庇ったのよ。
「庇った、ですか? 戦場にいる少年が赤の他人であるあなたを庇ったのですか?」
「ええ。その後、倒れる前に少年が撃ち返したのよ。
それで見た目で言えば、同志撃ちのようになったのよ」
「どうしますか?
今の私達は内密で来ています。放っておくのが得策かと」
「そうね、それが妥当な選択だわ。
けれどね、無意味だったとはいえ命の恩人を放っておくの
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