ニシオリ信乃過去編
Trick-05_神裂、移動術式を展開しなさい
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か言えなかった。
すぐに王族を見捨てて自分が作った、自分だけが知っている隠し通路に逃げ込んだんだからな。
偶然見つけた俺は追う役目を任された。
隠し通路はゴンドラが通っていて、出口は首都から意外と離れた場所になっていた。
その場所は古代遺跡だと思う。王都とは違う、古き良き装飾の壁や柱がが崩れかけて残っていた。
状況が状況でなければ楽しめたかもしれないが、はやりそうはいかない。
罠が仕掛けられていないか警戒しながらだが、確実に参謀との距離を詰めて行った。
王族がしてきた事を白状させるために殺さずに捕まえる必要があった。
ただし殺さなければ、どのような状況でも構わない。例え両腕が弾丸の雨でボロボロになろうとも、出血多量で死ななければ何の問題は無いと思っていた。
相手も甘い汁を吸う頭は持っていても、戦う力は無い貧弱な男。銃を持っていたとしても自分が持っているマシンガンの方が上だ。
今にしてみれば、その気持ちは油断以外の何ものでもなかった。
「動くな!」
パァン!
「ぐぁ!!?」
俺は警告と同時に奴の左肩を撃ち抜いた。
容赦の必要はない。死ななければいい。
「さぁ、王宮へ戻るぞ。安心しろ、罪が全て分かるまでは命は保障してやる。
王宮に戻るまでは頭と胴体、足に攻撃しないことを保証してやる。
ただし、それ以外は全く保証しない。お前の態度次第で変わるぞ?」
「糞!」
出血した肩を抑え、濁った眼でこちらを見てくる。
「どうした、早くこっちにこい」
「・・・・」
何か策を考えているのか返事は無い。
だが、それを待つ必要は俺には無い。
パァン!
弾丸が奴の頬をかすめ、血が弾け飛ぶ。
「言ったはずだよな。頭と胴体、足は攻撃しない。
だから顔は保障の範囲外だ。
わかったら、早くし≪ガラ≫ !?」
俺の後ろの方から瓦礫が落ちた音がした。
敵の伏兵!? 一瞬にして銃口を背後に向ける。
だがそこにいたのは兵士でも民間人でも無い。
場違いに綺麗な服装をした、綺麗な金髪の18歳程の女性がいた。
一言で説明すれば、英国貴族の少女。一言だが、これ以上に女性を形容する言葉は無いほどに当てはまっていた。
王族・・・ではない。権力争いを避けるため、自分たち以外の血族は全て殺したと聞いている。
それに目の前の女性は、中東の王族の服とはデザインが違う。西洋のデザインだ。
なぜここに? 何のために?
混乱のあまりに関係ない事を考えすぎた。それは決定的な隙となった。
「な、なんだ! 女、お前も死ね!!」
「え!?」
俺が作った隙は大きかった。
右手を傷を負った左
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