暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
百四話:女ですみません
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
感じで目を逸らし、恐々と他の踊り子さんの様子を窺ってみると。

「女……え……女……?……って、なんだっけ……?」
「そっかー……女、なのかー……。運命の恋だと、思ったのになー……。例え実らなくても、いい思い出にできるって……。そっかー、勘違いかー……」
「もうこの際、女でも……!いやダメよ、そんな不毛なことは!血迷うな、私!!」
「そ、そうよね……こんなに綺麗でカッコいい男が、実在するわけが無かったわよね……。妄想が現実になって、一瞬で消え失せた、それだけの話よね……。うん、得したと、思えないことも無くも無い、かも……」

 みなさん、虚ろな目でなんかブツブツ言ってます。

 ……すみません。
 本当に、すみません。

 ……もう、逃げてしまおうか。
 ……どこに?

 宿はここだし、どこにも逃げようが無いんですけれども。
 こうなったら、馬車で一晩明かすか。
 いや、それはそれで別の危険があるし、とりあえず部屋に逃げ込もう、そうしよう。


 というわけで、踊り子さんたちの隙間に向かってそろそろと移動を開始しながら、聞こえるか聞こえないかくらいの声で、また謝罪を繰り返します。

「本当にー……すみませんでしたー……」

 と、何に反応したのか、踊り子さんたちが一斉に顔を上げます。

 バッと音の鳴りそうな勢いに、思わずビクッとして固まる私に、踊り子さんたちが迫ります。

「ひいッ!す、すみませんでしたーー!!」
「お姉様!お姉様ね!」
「強くて綺麗でカッコいい女の子!うん、それはそれでアリよね!恋じゃなくてもね!憧れの存在って、アリよね!」
「女なら女で!女同士のお付き合いがあるものね!振られるとか無いし、それはそれでいいものよね!」
「こんなに綺麗なのに、強くてカッコいい女性だって!現実には、普通は存在しないわよね!うん、やっぱり得してるわね、私たち!!」
「え……?」

 ……許された?
 もしかして許されたの、私?
 港町で一夜の逃亡生活を、送らなくてもいいの?

 気が抜けて呆然とする私に、またクラリスさんが声をかけてきます。

「ねえ、女なんだったら!私たちの宿舎にいらっしゃいよ!女同士、語り合いましょう!」
「え……?」

 パーティが男ばっかりだし、それはかなり魅力的な申し出なんですけど。
 でもなあ。

 キラッキラした瞳で私を見詰める踊り子さんたちを見るに、どうも散々いじられそうな。
 オモチャにされそうな気配を、ひしひしと感じるんですけど。

「……折角ですが。仲間が待っていますし、この後の旅の予定もありますから」
「あら、いいじゃない。お仲間も、この宿に泊まるんでしょ?私たちの宿舎も同じ建物の中だし、何かあればお互いすぐ呼びに行ける
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ