第四十一章
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第四十一章
「それではな」
「ええ。それじゃあ」
「さて、帰ればあの牧師さんが帰っているかな」
「そうですね。そういう時間ですね」
それを聞いて述べた本郷だった。
「いや、朝だとかも言っていたような」
「そうだったか。あまり覚えていないな」
「まあどちらにしろですよ」
本郷はまた言うのだった。
「帰りましょう、二人でね」
「そうだな。何はともあれ仕事は終わった」
これは確かに言えた。彼等はそのことを確かめていた。深き者達も邪神もであった。戦いに残っている者達は誰一人としていなかった。
戦いに残ったのは二人だけである。残った彼等はゆっくりと村に出た。村はいたって静かなものだった。
教会に入るとやはり牧師はいなかった。中は至って静かでがらんとしていた。礼拝堂も食堂もだ。誰もおらず月明かりと闇だけがあった。
その教会の中を歩きながらだった。二人は話した。
「とりあえず風呂を焚きますか」
「そうだな。そして夕食を食べてだ」
「寝ましょう」
こうして身支度を整えて休んだ。朝起きると丁度ここで牧師が帰って来たのであった。
「いやあ、どうも」
「はい、おはようございます」
「おはようございます」
「何も変わりはなかったですか?」
穏やかな顔で二人に問うてきたのだった。
「何も」
「ええ、何も」
「ありませんでした」
当然ながら昨夜の死闘のことは隠すのだった。全てだ。
「それで俺達もですね」
「これで立ち去らせてもらいます」
「そうですか。ではこの村には誰もいなくなりますね」
牧師はここで意外な言葉を口にしたのだった。
「それでは」
「っていいますと」
「牧師さんもですか」
「はい。昨日言われまして」
寂しさと感慨が混ざった顔での言葉だった。
「この村を去って別の教会に赴任して欲しいと」
「ですか」
「後任は」
「いません」
とのことだった。まさに牧師がいなくなれば誰もいなくなるということだった。
「この村からは完全に去るということで決まりました」
「成程」
「計算して手回しをしていたのだな」
二人は牧師の話からこのことを察したのだった。カナダ政府は二人が仕事を成功させるのを見越してそのうえでこの牧師の所属している団体にも話をしていたのである。
だからこそだった。彼等は察したのだった。
「それじゃあこの村は」
「本当に誰もいなくなりますね」
「村の方々には申し訳ないですが」
やはり牧師は村でのことを知らなかった。何一つとしてだ。
「私もこれで」
「それで何時去られますか?」
「何日後に」
「用意が整い次第すぐだそうです」
そうなり次第だというのだった。
「すぐに村を後にして欲しいと」
「それじゃあ俺達も」
「お手伝いしま
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