魔法先生ネギま!
0438話
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爆音が周囲へと響き渡る中。その爆風すらも追い風にしながら墓守人の宮殿を上層へとひたすらに昇っていく。
周囲には既に召喚魔の姿も無く、しんと静まり返っている。そんな中をひたすらに昇っていき……近くにあった柱へと向かって大きく手を振るう。
轟っ! と俺の手から放たれた幾つもの炎球。それが柱へと命中する寸前に炎による障壁が現れ、俺の炎球を受け止めた。
「ふんっ、こんな雑魚を片付ける事も出来無いとはな。やはり我よりも性能に劣るか」
自信あり気に姿を現したのは、やはりと言うべきか予想通りと言うべきか、フェイトに似た顔立ちをしている男だった。妙に自信あり気に見えるが……
「フェイトの量産型か」
羽を使って態勢を整え、上空から相手を見下ろす。
「フェイト? あぁ、テルティウムの事か。そうだな、我はクァルトゥム。火のアーウェルンクスを拝命した者だ。お前は……そうか、人間では無いな。なら殺害禁止の命令に従うまでもないだろう。その身をここで焦がして消し炭へと変えてくれる」
傲慢な笑みを浮かべながら呪文を唱え始めるクァルトゥム。
『契約に従い我に従え炎の精霊。集い来たりて……紅蓮蜂!』
魔法が発動すると同時に、数十匹の蜂がその手から放たれる。だが……
「生命ノ宴」
右手を白炎と化し、そこから作られたのは数十匹どころか、数百匹の虫の炎獣。それらが群れをなしてクァルトゥムへと襲い掛かっていく。
「なっ! ば、馬鹿な!? なんだ貴様は!?」
「ふん、自分で言っただろう? 人間じゃない、とな。それが答えだよ」
クァルトゥムの放った蜂全てを撃墜し、それでも尚存在している虫型の炎獣100匹以上。それらが俺の命令に従い、獲物であるクァルトゥム目掛けて突き進む。
『GYAAAAAAAAA!』
数匹であれば小さいその鳴き声も、100匹近くなればそれは大合唱とも言える大きさになる。そんな声を響かせながら迫る炎獣から必死に逃げ惑うクァルトゥム。
「ええいっ、くそっ! この我がこんな無様な……」
咄嗟に身を躱し、突き進んできた虫が柱へとぶつかりってその熱で貫通していく。その様子を見ていたクァルトゥムは頬を引き攣らせながらも呪文を唱える。
『九つの鍵を開きて レーギャルンの果てより出て来たれ……燃え盛る炎の神剣!』
その呪文と共に現れたのは巨大な剣だった。長さ10m程度はあるだろうその剣を大きく振り回し、虫型の炎獣を文字通りに一網打尽に叩きつぶす。
……が、それは同時にこの墓守人の宮殿を支えているであろう柱も数本程纏めて斬り飛ばしていた。
「はっはっはっは! 我にこの魔法を使わせるとはなかなかに腕が立つ。だが、ここからは己の身の程というものを知って貰おうか
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