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蘇生してチート手に入れたのに執事になりました
憤怒と幽霊
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・・・・、
宏助は行動を起こす。
佐多兄弟から聞いたのは・・・簡単な話。
麗は元々、斉藤、という姓だったらしい。
彼女は、昔、神条総帥の元で、秘書として働いていた。
そんな職場で出会ったのが、神条総帥の、SPとして働く若菜基道だった。
二人はお互いの仕事の上ではとても有能だった。そんな才覚ある者同士、除々に惹かれあい、やがて付き合い、その関係はどんどんと密接になっていき・・・・やがて婚約までした。
しかし、婚約した直後に基道は神条総帥の一人娘である明のSPの配属に特別に回される。
特別な理由とは、明が神条総帥と共に、舞踏会に出席するとのことで、その道すがらの警備を担当することだったらしい。
その中には、佐多兄弟もいた。
麗は彼の出発を悲しんだが、無事必ず帰ったら、結婚しようと、別れの言葉を爽やかに告げて出かけていったらしい。
しかし、結局のところ、その約束は果たされることは無かった。
舞踏会への道すがら、いきなり襲ってきた、一味の一人に、ナイフで、胸を一突きされ、基道はあまりに呆気なく死んでしまったと言う。
佐多兄弟も、その基道が死んだショックで、呆然としているまま、一味に殺されてしまったらしい。
こうして、明を護ることが出来るも、三名の死者が出た。
その知らせを聞いて麗が出来るのは、人前で泣くのを堪えることだけだった。
そして機械的に麗が仕事をこなし、夜もロクに眠れない数週間を過ごした後、明から麗が呼び出される。
何故麗を呼んだのか、その理由は簡単だった。
基道の幽霊と、麗を会話させるため。
明はどうやら、幽霊と左手を繋ぎ、人と右手を繋ぐと、幽霊と人との会話のみを可能にするらしい、と前に聞いたことがある。
その方法で、麗は、基道と会話した。
最初は半信半疑だった彼女も、基道の声を聞けば、思わず涙が出、すぐに信じたと言う。
その一部始終を見ていた佐多兄弟は、基道が残した言いつけを知っているらしい。
彼が残した言いつけはこうだ。
「あいつらを・・・・この明お嬢様と、それを護るあいつら・・・SPどもを護ってやってくれ。」
以来、彼からの遺言を護るため、麗は、SPたちと修行をし、とても強くなったと言う。
だからこそ今回の事件は麗にショックが強過ぎた。
護る、護る、と自負して、とても強くなったにも関わらず、それ自身を明と天秤にかけられれば、麗は冷静でいられるはずはない。
しかし、宏助はこの話を聞いてなお、怒りしか湧いてこない。
何故、どいつもこいつも身勝手にことを進める。
どいつもこいつも自分のことしか考えてねぇ。
SPも、敵も、麗も。
だから、宏助は、行動を起こす。
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