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深き者
第四十章
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後には何も残っていなかった。
 いるのは二人だけだった。もう何もすることがなかった。
「それじゃあ役さん」
「帰るとするか」
「ですね。仕事は終わりました」
 その会心の笑みで語る本郷だった。
「これでね」
「まずは村に戻るか」
 また言う本郷だった。

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