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蘇生してチート手に入れたのに執事になりました
人工物
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宏助達に手早く指示を出す。人の家への訪問はアポしてからが基本でしょうが・・・、と呟くのは忘れなかったが。

 そして十分後。
「待たせてすいません。行きましょう。」
自室から出てきたのは一分の隙もないご令嬢。
黒いドレスに身を包み、品の良いお嬢様を演出している。
冬なので生地は厚いが、何故か胸元が大きく開き、下着をしているはずなのに、こぼれている。そう、こぼれている。
その純白の肌と黒いドレス。銀のハイヒールなどをいやらしいと思えないほどのスピードで眺め回し、すぐに視線を前に戻す。
そのまま玄関へと続く中央階段を通り抜け、応接間へと向かう。
応接間に入るとほぼ同時に、品の良さそうな男性が、ソファーに座っていた腰を上げて、頭を下げる。相手は柔らかそうな微笑を顔に浮かべていたが、何故か宏助は男性が頭を下げたときに男性から機械音のようなものを聞いた。
明も会釈し、そのままソファーに座る。宏助は勿論後ろで待機だ。麗は机の横にいて、明は男性と机を挟んで向かい合う形だ。
そのままごく自然な流れで、男性が自己紹介、というか名刺を明に手渡す。そのときも微笑のまま、やはりなにかの機械音。
「私、こういうものでして。」
名刺を渡すときの常套句を言って、それを差し出す。何故かそのときも機械音。そっとその名刺を覗きこむと、宏助の知らない会社名・・・・・IC企業と下に書いてある・・・・と、嶺方楼(みねかた ろう)という名前が記されている。
明も自分の名刺・・・・なんとドレスの胸ポケットに入っていた・・・・を差し出し、名刺交換。
そして、そこで麗が楼に質問をする。
「あの、つかぬことをお聞きしますが、本日は有名なIC企業の社長である貴方が一体どのようなご用件でここに?」
言葉遣いは柔らかいが、目には警戒の色が宿っている。やはり神条総帥の署名を持っていても、警戒すべき相手であるのは違いない。
しかし、そんな麗の様子に気づいているのかいないのか、楼の表情は先程から同じ微笑だ。そして告げる。
「そんな、そんな。社長といっても神条総帥が仕切る神条財閥の傘下である企業のひとつでしかありません。あ、今日来た目的でしたね・・・それは、」
そこで一度言葉をきり、何でもないようにそれを告げる。さっきから感じる謎の機械音とともに、
「そこにいる神条総帥の一人娘の身柄をこちらに渡してもらうためです。」
「・・・・・・!」
刹那、相手は懐から銃を取り出すが、楼が言葉を告げていた時点で動いていた宏助がその銃を叩き落し、テーブルを貫通させる。数瞬遅れて、麗がやはりメイド服の懐から取り出した拳銃を出し、楼に突きつける。明はそれを呆然と眺めている。
そして、楼。やはり先程から言葉を発するたび、動くたびに謎の機械音。
「さすがに、今すぐにとは無理でしたか・・・・。しか
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