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第六十五話 常識の通じない者
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レイユに声をかける。

「に、にぃに!ど、どうしたらいいでしょうか?」

「いや、どうしたらもこうしたらも、答えられるだけの情報を持ってないんだけど・・・」

珍しく困ったように言うソレイユだったが、そんなことをしている間にもリーファとキリトの会話が進み、涙を拭いて外にでようとするリーファをキリトが必死に止めようとしていた。

「なぁ、ユイ」

「な、なんですか、にぃに?」

「外に邪神が二体いるように感じるんだが・・・」

「えっと、ちょっと待ってください・・・は、はい。にぃにの言うとおりです。でも・・・」

「でも?」

「どうやらその二体は互いに攻撃しあってるみたいです」

「ほう・・・だってよ、お二方?」

そんなに広くない洞窟の中に隠れていたため、ソレイユとユイの会話は当然キリトたちにも聞こえていた。

「様子を見に行こう」

「・・・そ、そうだね」

「さんせーい」

キリトの提案にリーファは頷きソレイユはやる気のかけらもない返事をする。一同は洞窟からでると、周りを警戒しながら慎重に進んでいくと、人型の邪神と人型でない邪神が互いに攻撃をしていたる光景が目に入った。

「ど、どうなってるの?」

体を隠すことも忘れリーファは呆然と呟いた。瞬時にいくつかの可能性が思い浮かぶがどれも当てはまらなかった。立ち尽くすリーファたちにお構いなしに二匹の邪神の戦いは激しさを増し、キリトたちがいるところまで衝撃が届いてきた。

「お、おい、ここにいたらやばそうじゃないか・・・?」

キリトがそういうが、リーファが動く気配は見えない。そして、人型ではない邪神が弱っていく姿を見たリーファはとっさに口を開いた。

「・・・助けよ、キリト君、ソレイユ君!」

「ど、どっちを」

「もちろん、苛められている方よ」

「ど、どうやって?」

「・・・えーと、ソレイユ君レッツゴー!」

「適当だな、おい」

いきなり話をふられたソレイユはため息を吐きながらやれやれといった様子で頭を掻いてから、屈伸をしたりするとおもいっきり地面を蹴って邪神との距離を詰めにかかった。それに驚いたのはリーファとキリトだったが声をかけようとする頃にはソレイユが人型邪神に接敵していた。
ソレイユの装備はフォルテと戦ったときのまんまであるため、手にする武器はレーヴァテインであるのだが、今回の敵は小型のMobでもプレイヤーでもないのでレーヴァテインを顕現させることはなく、魔法詠唱を開始した。その魔法はルシフェルやフォルテも使用していた魔法である。

「エンチャント:ライジング・サン」

強化魔法(エンチャント・スペル)だった。エンチャントし終えると、ソレイユは発動する魔法名を口にした。


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